| 2006年03月01日(水) |
福井 晴敏『Twelve Y.O.』★★★☆☆ |
 『Twelve Y.O.』 福井 晴敏 講談社 (1998/09)
先月夜更かしして読みきった『亡国のイージス』の福井さん。 今度も夜更かし?と期待して読みました。夜更かししました。
面白かったです。さすが江戸川乱歩賞。
沖縄から米海兵隊を撤退させた、たった一人のテロリスト。 名前は「12(トゥエルブ)」。
彼は一体何者なのか? テロの目的は?
彼の武器は最強の最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」。
読み進めていくうちに、もしかしてこの二人が『亡国のイージス』の××に?なんておバカな読みをしてしまったのですが、「12」は狂ってはいなかったのでした。 彼には動機があった。
悲しく痛ましい過去による、その動機とは。
防衛庁、在日米軍、権力者たちの思惑が渦巻く中で、駒として動かされる命。
”兵器”であるウルマの活躍に、ある女性を思い出した。
そう、最近読んでない松岡圭祐さんの『千里眼 岬美由紀』!彼女の活躍も久々に読んですかっとしたいな。
ついでにこの作品の「ユリ」は千里眼の有里(だっけ)にかぶる。
一番かぶるのは、この騒動に巻き込まれ、活躍してしまう一見転落人生を送ってる中年自衛官、平。 この人は、『亡国のイージス』仙石曹長そのまんま。 両方読んだ人、そう思ったでしょー?でしょでしょ?
ヘリに乗せられて蒼白、足腰立たないオッサンが…。
かっこいいんです。 日本のオヤジも捨てたもんじゃないという気持ちになります。
ストーリーの破天荒なところは素晴らしいけれど、人物描写の深さはいまひとつ。 ウルマや組織を離脱してまで彼女を守ろうとする護、壮大なテロをしかけようとするトゥエルブの動機にもっと感情移入したいけど、しどころに欠ける。 一番書けてるのは協力者夫婦かな。 彼らのサイドストーリーがあれば読みたいと思う。
シリーズもの流れとしては、これを読んでから『亡国のイージス』なんだけど、どっちでもいいと思う。 私はこの順番で、『沖縄?』『あっ!出て来た悪魔の兵器!』『ああ、あの事件のことね』とメイキングビデオを見てるような気になれて面白かったです。
また、福井さん読もう。
『Twelve Y.O.』
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