| 2005年08月05日(金) |
金 賢姫『忘れられない女―李恩恵先生との二十ヵ月』★★★★☆ |
金 賢姫 池田 菊敏 文芸春秋 (1997/10) 売り上げランキング: 316,627
おすすめ度の平均:   拉致被害者を早急に解放しろ!  金賢姫の心の成長
忘れられない女性、とは…
田口八重子さん。
北朝鮮に拉致され、大韓航空機爆破事件の実行犯である北朝鮮工作員金 賢姫の日本人教育化係をさせられた女性。 二人の子どもを残したまま、今も、北朝鮮にとらわれたままだ。
救出の機運が高まったものの、そこまで行きつかなかった現実。 このまま存在が忘れ去られる危機感から、金 賢姫は筆をとったのでした。
李恩恵(リ・ウネ)と過ごした日々のこと。 彼女の好きな物、時に流す涙、異文化への適応(犬を食べる話などビックリ)。 こっそり出かけた夜のこと、子どもへのまなざし、異国での排他的な空気の中での寂しさ、二人の間にめばえた情愛と壁。
読むと、過酷な運命を課されながら、生き抜いている一人の女性の存在が実感できる。 彼女を助けたいと思う。 日本に返して、日本の物を食べさせ、眠らせ、休ませたい。 これまでほっておいたことを謝りたい。 彼女でなければならなかった必然はなかったのだから。 わたしの母だったかもしれないのだから。
そのために必要な声の一つに、これもなれたらいい。
|