刑法奇行
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2005年12月18日(日) アンバランスが崩れている?

 いよいよ冬休みかいうと、まだ火曜日もローの授業「修復的司法」があり、会議も残っている。半年の修復的司法の授業は、早稲田からNさん(かつての学部ゼミ生)、慶應からNさんとNさん、思えばみんなNさんか。そして、S谷仙人と和気藹々という状態である。

 先日、警察庁の講演会に呼ばれて、RJについて話をしてきた。RJの進展に寄与できればと思う。しかし、いつもRJについて話すと、自分の中で歯痒さを感じるのは、おそらく、そのバランス感覚のせいかもしれない。つまり、被害者・加害者・コミュニティの3者がバランス良く再生するということに、自分自身が焦れったくなる場合が時折ある。つまり、被害者支援で突っ走ることの力強さに負けてしまうのである。しかし、ほとんどの問題はバランスの問題ではないかと思うのである。とくに、法律家にはこれが要求されるのである。バランスを崩して良いのは、太宰だけかもしれない。

 ところで、フィギュア・スケートもバランスであるが、やはり天才はいるものだと思う。わが家の娘は、1回転半で四苦八苦である。他の親たちは夢中であるが、こちらは、「趣味でいいんだよ」とつねに言っている。どうせ、真央ちゃんにはなれないのだから。ピアノも趣味。どうせ、中村紘子にはなれないのだから。となると、翻って刑法も趣味か。どうせ、D藤先生やH野先生、さらに、恩師N原先生にはなれないのだから。こうなってくると、すべてのことが趣味になってしまう。しかし、趣味だから駄目だとは言えないだろう。趣味だから楽しいのである。生きていること自体、趣味かもしれないなどと思ってしまうが、若くして亡くなった人、もちろん犯罪被害者などなど、生きたくてもそれができない人にとっては、生きることが趣味などとはとんでもないことであろう。しかし、生きるためには、やはり、バランスを保っていかなければ、生きていけないのである。そうでなければ、日々元気に生活することはできないだろう。バカボンのパパの「これでいいのだ」は、すぐれた処世術かもしれない。

 クリスマスが近くなり、娘がDVDの見れる小さなプレーヤーをサンタさんに頼むというのである。思わず、「それは高いんじゃない」と言ってしまったが、「サンタさんがくれるから、ただじゃない」ときたのである。まさか、まだ信じているのか、あるいは、我々の裏をかこうとしているのか、前者だとあまりに情けないし、後者だとフィクサーすぎる。息子の方が、もっと単純だったと思うが、娘は複雑である。フィギュアと同様、バランスが崩れていなければいいが・・・。

ジャスティス for 昨日結婚した姪の亜紀


norio

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