DAYLIGHT
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Wrighterd by enatsu :h/b

アイ,ロボット

思い出しながら書いてます。見たのは9月だっけかな?
03年、米。アシモフの「ロボット三原則」で有名な古典SF短編集、「われはロボット」の世界観をベースとしたSFサスペンスアクション。近未来、ロボット嫌いな刑事がロボット開発者の不審死を捜査するうちに、巨大な陰謀に巻き込まれる。

期待しないで見たら意外と結構面白かったです。ウィル・スミスのプロモ映画のような前半は、特にウィル好きという訳でもない私にはどーしよーもなく退屈だったんですが、擬似人格を持ったロボットのサニーが活躍する後半はすごく面白かった。
サニーが「悲しい」に似た表情をする度にキュンときました。人間に似た無生物の擬似人格は、昔からよくあるモチーフだと思うし、同モチーフの他作品に比べると表現も全然浅いし新鮮味も全くないんだけど、それでもやっぱ、自己差異性を求めるAIって設定にはほんとに弱いです、私は。

人工知能の起こす不確定な動作を、この映画では「ゴースト」と呼んでます。押井守のイノセンスの「イノセンス」とか鉄腕アトムの「心」とか人間の「魂」とかの概念にあたるんでしょうかね。「ゴースト」、良いネーミングですね。でもそれがロボットに宿ることが良いことなのか悪いことなのか、その議論には全く触れずに物語が終わっちゃったのは残念でした。ラストシーンは壮大な感じがしたけど、ロボットやゴーストのことを制作の人たちがどう思ってるのかは全然見えないままだったしなあ。前半のウィル・スミスのプロモを削って、その辺をもっと掘り下げれば良かったのに(わあ)。

まあアシモフにはあくまで設定を借りただけど割り切って、トンデモ娯楽CGアクションとして楽しめば吉。
それでもハイウェイで主人公がロボットの大群に襲われるシーンは、「生身の人間一人殺すくらい、ロボットを何体も犠牲にせんでも、ロボットを乗せてきたトレーラーで轢けば良いのに…」と、ちょっと生暖かい気持ちになりましたが。

2004年11月23日(火)