青の階

2005年02月04日(金) 夏に関する感傷

久しぶりに本を読んだ。
昨年金沢のホテルに泊まっている時、
サガンが死んだことを新聞で知った。
なので買ってきたのは当然「悲しみよ、こんにちは」
途中で主人公がネズミ色のドレスを着た女性を「美しい」と賞賛するシーンがある。
わたしにはネズミ色というとみすぼらしい、というイメージがあるので
美しいと言う表現は新鮮だった。
ついでにその表現から、映画「8人の女たち」の中の
あるキャラクターが着ていたネズミ色のドレスを思い出した。

ドレスのサテンがきらきら光っている。

滑らかなその手触りがわたしの頭をぼやけさせる。

久しぶりに、自転車で大学に行った。
印画紙を買いに行ったのに、目的を忘れて
関係ない小説とお菓子を買って帰ってきた。
しかし、昨夏痛めた足は、随分調子を取り戻してきたようだ。
この道、あの坂、鉄塔、晴れた空、物憂い午後、
わたしが愛している季節のことをまざまざと思い出し
センチメンタルな気分のままに坂を下り降りた。
帽子にあたった風が耳元でひゅうひゅうと唸っていた。
はやく夏よ来い。


 < 過去  昔の話  未来 >


si-la [MAIL] [PHOTO DIARY]