実に見事な日暮れだった。路上教習で湖岸沿いの道路を走った。一日中どんよりと曇った空でまた雪でも降るのではないかと内心恐れていたが夕刻に近付くにつれ、厚かった雲が動き始めわたしがハンドルを握る頃には町の輪郭がとけてしまうほどに眩しい夕照となった。わたしはここに住んで初めて湖が水色であるのを見た。街路樹の影が等間隔に縞模様を作り出して、その縞々はどこまでも続いていた。木々が、家が、車が、空が、雲が、あらゆるものが光を発しており、わたしはただ圧倒されるだけだった。