音がすべる。言葉がすべる。文章が、文字がすべる。あわてて生きているとこう言うことに・・・。すぐにギブアップしてしまう私でよかった。多くの花を踏み潰さずにすむから。なにかが引き止めてくれたんだと、そのなにかに感謝しよう。

「忙しい忙しい」と言うけれど、「急ぎなさい」「人をイライラさせないように気を使いなさい」と言うけれど、ママ、よく見て。私はとっても忙しいんだよ。においをかいで、光をあてて、手でなぜて・・・。せわしなくそれがなんなのか調べているんだよ。

◇◇◇

中学生の時の思い出。

海水浴の帰りにバスに乗ることにしました。沖縄のバスは急ぎません。「丁度今が時間だから、2時間後には来ると思う」と友達。私は時刻表を読めなかったので「ありがとー」とお礼を言って、ベンチに腰掛けました。

ニコニコして風に吹かれていると、「怒らないの?」と友達。「なんで怒るの?」と私。「さー」と友達。

1時間経って、また「怒らないの?」と友達。「怒ってないよ」と私。

2時間経って、「怒ってないの?」と、友達。「よくわかんないよ」と私。「ケイコーが怒るはずないよ。わかってるもん」と、他の友達。「わかってるかな?」「わかってるよ」なんの話だろう?

風が肌に、葉のこすれる音が耳に心地よくて、強い日差しが気持ちに明るくて、ずーっとそうしていたかったな。

3時間経って、「来ないね」と友達。「来ないね」と私。「歩いて帰る?」と友達。待つことに・・・。

4時間経って「怒らないんだね」と友達。「なにに怒るの?」と聞くと、「よくわからない」と、友達。おかしかったな。わかんないよね。

バスが見えて、声が届かないほど遠くまで行ってしまった友達もいたけど、まあいいかとベンチから立ち上がり、入り口に向かってッタッタッタ・・・。腰に巻いていた浮き輪がドアに引っ掛かり、挟まる私。少し寝ぼけてた。

車掌さん大笑い。友達も笑って笑って、ゆっくり浮き輪がやぶれないように外して、おかしかった。

バス停から離れすぎた友達を拾いひろい・・・。

沖縄以外にも、道を歩いている人がいたら停まるバスってあるのかな?道を歩いていたらバスが停まるの。「乗る?」と車掌さん。「お金ないからいいです。ありがとうございます」「お金は後でいいよー」そんな感じ。

◇◇◇

ある時、友達に「ナイチ(沖縄以外の日本)では怒られた?」と聞かれました。私は心情はあまり語らない子供だったけど、正直に「怒られたよ」と、オズオズと言うと、「やっぱりね」と、ニコニコ。

「ここでは大丈夫だよ」「ケイコーはわかってるし」だって。うれしかった。

朝露の中を登校するのも、夕日を浴びて下校するのも、サンシンに耳を傾けるのも、1人もいいけれど、沖縄では大人数が普通。地球にちょこんと乗っかって、耳を傾け、眺め、息をしてる、私たち。

その後、ほとんどの同級生が沖縄をはなれたと思うけれど、ナイチのルールに縛られていませんように。

縛られるはずがないか。心に海や風が残っていて、いつも知らせてくれるものね。それで私も大丈夫なのだし、一般的には病人だけど・・・、でも大丈夫!
2008年08月17日(日)

寝言日記 / 杏