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| 2011年01月17日(月) ■ |
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| だてのおっさんたちへ |
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タイガーマスク現象、どうでしょう。 「伊達直人」を名乗る匿名の寄付が、各地の養護施設などに次々に 届いたというヤツです。
お祭り騒ぎとして面白がる程度がちょうど良いのかな、と 私などは思ってしまいますが。 「これはすばらしい!」と絶賛するのはどうかな〜。
もちろん、各施設は慢性的に財政不足で 寄付はいくらでもありがたいでしょうし、 この現象でによって養護施設や子どもたちへの理解が深まるのは、 大変良いことだと思います。
でも、善意といっても、「みなしごかわいそう」→「施設」→「ランドセル」……って 何十年前の熱血漫画ですか?野島伸司ドラマですか?(←だいっきらい) と問いかけたくなるような、単純さが見え隠れしているような 気がするのです。
養護施設の子どもたちは、衣食住を保障されています。 洋服代などは、一人当たり決まった額が支給されており、 公立学校で普通に勉強するには不自由はないはずです。 ただ、携帯電話代や部活動代などは、どうにもなりません。 お小遣いを超えた金額は、バイトするしかありません。
支えなければならならいのは、もう少し違う側面ではないでしょうか。 子どもたちの「自分は普通とは違う」「親に見放された」という 劣等感、絶望感を払拭するにはどうすれば良いのか。 高校を出ればたったひとりで、保証人もなく社会に放り出される彼らに、 どんな援助が必要なのか。 ハード面では、数十人規模の施設から、より家庭に近い 少人数のグループホームへ移行してくことが望ましく、 そのための財政支援が必要でしょうし、 ソフト面では、地域や一般市民(ボランティア)とつながりを持って (かわいそうな子たち、ではなく地域の仲間として) 社会の一員として育ってもらうことでしょう。 だから、子どもたち個人に対してというよりは 施設運営への手助けが必要ではないかと思うのです。
ただ、ボランティアやカンパも、的外れでは、 職員さんが対応に追われ、負担が増えるだけかも知れません。 ただでさえものっっっっすごく大変なお仕事なのですから。 だって、学校以外の子どもたちの生活をサポートするんですよ…? 自分の生活時間を犠牲に、神経をすり減らし、ぼろぼろに 燃え尽きてしまう職員さんも少なくないようです。介護分野と似ていますね。
ですから、できればボランティアの会など組織を介して援助に加わるのが 無難かもしれません。
そして、個人で支援するのであれば、 やはり匿名ではなく、ちゃんと顔と名前を明かすべきではないでしょうか。 子どもたちにとっては、 「この人が、自分を応援してくれる。 自分の健やかな成長を願ってくれている」と 実感できる相手と知り合えることは 何よりの支えになると思うからです。
あまり人ごとと思わずに、想像してみましょう。 もし自分の将来、子どもを施設に預けざるを得なくなったら?
安心して預けられる施設であって欲しいし(もちろん保育所とは違いますが) そのための支援を考えるべきだと思います。
※上記の文章で誤解を招きませんように… 養護施設の子ども=孤児ではありませんし、 「みなしご(孤児)」も時代遅れの言葉、「恵まれない子ども」「かわいそう」 というのもふさわしくないと、個人的には思っています。 でも、「施設の子」に対する偏見や差別は いまだに世間にはたくさん残っていると思いますし 「タイガーマスク」なんかを持ち出す裏には、 そんな差別感情が隠れている気がして仕方ないのです。 考えすぎでしょうか。
(追記)すみません、自分でも「書いた内容はこれでいいのかな?」と 迷ってしまうのですが。 私が疑問に思ってしまうのは、「現象」として持ち上げ、 一時的な変なブームにしてしまっていることです。 個人で「子どもたちのために何かできることを」と寄付した人の やさしさと実行力については天晴と思います。 でも個人の寄付に頼らないとやってけないような 児童福祉ではやっぱり問題ありだし。 本当に必要な支援は何だろう?って話題にして欲しいですー。
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