初日 最新 目次 MAIL HOME


つれづれ帳オンライン
Luemo
MAIL
HOME

2008年11月29日(土)
かたづ件 40件目

数日前、近所に、鳥の声が響いた。
ピーチクパーチクときらびやかなさえずりではなく。
「ジャッ!ジャッ!ジャッ!」と、火打石を打ち鳴らすような音なのだ。けっこううるさい。意識しなければ、鳥の声だとわかりにくいかもしれない。
窓から見ると、隣家の庭のはずれの茂みに、ごそごそと何かがいる。
なんだか優美さとは無縁なカンジの、こいつが。

藪の小鳥、ウグイスなのだ。


見ていると、茂みからバサッ、バサッと出てきて、隣の家の枝にとまった。よく、「ウグイス色」というと、少しだけ渋みの入ったキレイな緑色を思い浮かべるのだが……なんだあれは!本物は、なんか緑っぽい気もしなくもないネズミ色という感じで、「キレイね〜」なんてお世辞にも言えない。形も、ふんわりというより上が平らっぽい。近くを飛びまわっているメジロたちのほうが、色もステキ、動作は軽やか、ピピピとさえずったりして、よっぽどかわいい。

だけど、「ホーホーケキョ」と言わないだけで、人にそれと知られず、野暮ったく藪の中を這いずり回っているウグイスに、苦笑しながらも何だか親しみを覚えてしまうのも確かだ。
石を打ち鳴らすような鳴き声は、いわゆる「地鳴き」というヤツで、これがウグイスの本来の喋り方(?)なのだ。母は、ウグイスは「チャッチャー」と鳴くんだと教わったという。「ホーホケキョ」は、繁殖期の呼び声なんだって。考えてみれば、ウグイスがいるの、春だけなんてわけないもんな。