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2008年04月27日(日)
弾くように描く

アコーディオンのコンサートに出ました。
ほんのちみっと。私は全然上手くないんです。が、一観客としてではなく出演者としてコンサートに参加すると、他の人の演奏を聴きながら考えることも、自然と違ってきます。即売会へ一般参加するかサークル参加するかで、会場をまわるときの意識が全く違ってくるのと同じようなことかもしれませんね。

リハーサルで、ものすごい上手い人が軽やかに弾くのを見ながら、演奏することと描くことの共通点を考えていました。
基本を確実に、身につける(身体で覚える)、そして一般の人には想像できないほど多くの量を積み重ねなければ、プロとしてやっていくことはできません。
たとえば、プロ云々よりずっと手前の話ですが、私は#や♭の多い嬰へ長調やロ長調の音階のスケールを、楽譜を見なくても吹けるし、知っている曲を移調して吹けます。頭で考えて整理するのではなく、昔の練習で身体が覚えているからこそ、かろうじてできているのです。
だけど、漫画では?
人の顔や身体を描く時はどうなんだろう?見なくても自然に手が覚えていて、描けるレベルには至っているか?他の楽器との調和、最終的にどう聞こえるかを掴んで演奏するのと同じように、空間を意識して絵を描いたり、他の工程を考えながら描く、ということが果たして身についているだろうか?
ダメじゃん!これじゃダメだ!なんとかしないと!
……と思ってしまったのでした。


「初見で弾くように
見たものを そのまま描けるようになること。

暗譜して弾くように
見なくても 覚えて描けるようになること。

細かく弾くように
ディテールも 美しく描けるようになること。

積み重ねなければ 描けない。

楽器がなくても
電車の中で 譜を見て練習できる。

ペンがなくても
目と頭で描く練習はできる。
口ずさむように 鉛筆を動かすことができる。」

余談。今日聴いた、アコーディオンのものすごい上手い人のことを、私は、こっそり描いたことがあります。
何年も前、勤めを辞めて間もない頃、池袋の「ライオン」に連れていかれた時のこと。
お店の女性スタッフや歌手の可愛らしい衣装と一緒に、彼が軽やかにアコーディオンを弾きこなす姿も、こっそりスケッチしました。今見返すとすごい下手くそですが、あの頃は前向きに、がむしゃらに頑張っていたんだ。同じくらい、いやもっともっと努力しなくては、と思い出すのです。