あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2002年04月28日(日) 4月、何事も無く終わる日々




目を覚ますと
あなたが死んだ という
悪質なメールが
携帯の画面に踊って
もう一度寝直す羽目になった
エイプリルフールで
4月は明けた


翌朝
目を覚ますと
あなたが死んだ という
悪質なハガキが
郵便受けに残っていて
もう一度ベッドに逆戻りした
時季を逃した 2日目のエイプリルフールに
4月は過ぎた


二度
あることは
三度ある と
目を覚ませば あなたが死んだ という
電話を何も言わず切り
とりあえず無視をして
途中だったミステリを読みふけった
その日も暖かな朝だった


4月
まだ残る桜を見に行こうと
あなたを呼び出そうとして
少し迷って
布団にもぐりこんだ
 春眠
 暁を
 覚えず。


母親が
おはぎを手土産にやってきて
しばらく
部屋を片付けていった
何も動かすなと言うと
特にそこらへんは動かすなと言うと
淋しそうに
怒られた


父親が
晩飯でも食おうと言って
出張のついでに寄って
ロシア料理を食わせてくれた
ボルシチの中の
サワークリームが
妙に
美味かった


桜が散ってしまって
ツツジが咲いて
近くの並木道のナンジャモンジャの樹が
真っ白に花をつけて
友達が
エアプランツを
増えすぎちゃったから と言って
置いていった
なんだか
微笑みにくかった





4月
何事も無く終わる日々
ゆり返しゆり返し
あなたが死んだ と
告げるものたち


なべて
世は
事も無し。



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今日もお疲れなので、某所に投稿したやつ。
即興なので推敲も無し。
エアプランツが増殖するものなのかは謎。でもたぶん増えない。はず。
と勝手に思っている。


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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