たま日記
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名人。
と、自称するワタクシですが(嫌な名人だな)最近、胃痛によく効く薬を発見っ! それは「百合油」(LILY OIL) 香港行った時に買ったやつ。 効能は「風邪、リューマチ、胃痛、はなづまり、車酔い、目まい、胃弱、歯痛、咳、すりきず、きりきず、血止め、痛止、虫さされ、やけど、かゆみ、はきけ、不眠症、疲労、花粉など」 範囲広いな!(笑) 外用として使うのだが、不眠症の時はどこに塗れと?目の下?鼻の下?反対に目が覚めそうな匂いなんですが?すりきずきりきず何かに塗ったら痛さに転げ回りそうなんですが? でも、胃痛には効きました。マジで。
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『話が違う!あんなに斧が相手じゃ絶対に無理だ!』 一人が悲鳴のような叫びをあげたのを合図に、周りの男たちも次々とパニックに陥っていく。背を向け逃げ出す者もいたが、周りは既に囲まれている。逃げ切れるものでもない。トレックはそんな男達を眺めながら、槍を握り締めた。 『お前は逃げないのか?』 振り向いた先には、やはり隊長が馬上で自分と同じように槍を握っている姿が見え、トレックは、まぁ、と呟いた。 『傭兵やってればこんな事もあるんじゃないか』 隊長はそんなトレックを一瞬見つめると、次には声を出して笑い出だした。 『本当に面白いヤツだな。安心しろ、お前はこんな所でくたばりゃしないさ。俺がいるんだからな』 そう言って隊長は、これを使え、と腰に吊るしていた剣と、予備の剣をトレックに渡すと馬首を斧使い達の方へ向ける。 『あんたは?』 『俺はこれがあれば充分だ』 そういって手にした槍を軽く回す様は、自分が倒されるなどとは欠片も思っていない程の自信に満ち溢れていた。 『あぁ、それから』 隊長は走り出そうとした馬を止めると、首だけトレックの方へ向ける。 『俺みたいに女の子に声をかけるのに夢中になるので無ければ、最低でも予備の剣一本は持っておけよ!』 そう言って隊長は歯をむき出して今度はにやっ笑うと、あとは斧使い達の方へと風のように駆けていった。 それは誰の目にも自暴自棄な行為に見え、トレックも軽く目を見開いた。
「隊長はお前達の為に我が身を犠牲に血路を開いてくれたのか?」 ノアは、まるで息を吐き出すようにそう呟いた。 「いや」 反論するトレックのぼんやりとした顔つきは昔を思い出しても変わらず、むしろ無表情に見え、ノアは胃がぎゅっと縮む思いに眉間に皺を寄せた。 「まさか…逃げたのか?」 「いや。槍一本で、10人は居るだろう斧使いを一人で蹴散らした」 返ってきた答えは自分の予想の範疇を大きく上回り(もしくは下回り)ノアは一瞬、文字通り言葉を失った。 「…冗談だろ?」 「冗談?どうしてだ?」 珍しく意外そうに言うトレックにノアは絶句した。本来、槍はそのリーチの長さから圧倒的に有利な武器だが間合いが重要だ。懐に入られてしまってはその長いリーチが逆に災いして、防御体制を取る前に敵の一撃を喰らってしまう。斧はその重量ゆえに一撃の威力に勝っても、素早い攻撃に移れず、軽い武器には相性が悪い。だが、剣と違って、槍のように懐に入られてしまっては無力な武器の場合は違ってくる。その幅広な刃を盾代わりに使い、懐に入ってしまえば槍など問題になら無い。 だから、槍装備の傭兵達がパニックに陥るのも無理の無い話しなのだ。
『何故剣を使わず槍を使ったのかって?』 返り血を大量に浴びた隊長は、水で濡らした布で顔を拭きながら、きず薬で怪我の治療をしているトレックの質問に目をくりっと動かした。 『斧は重過ぎて振り回すのは疲れる。斧より槍の方が軽いし、剣より有利。だったら槍を使った方が賢くないか?それに槍の方が豪快で格好いいだろ』
「だが、斧相手にはどうする。確かに蹴散らしたかもしれんが…」 自分の声がまるで唸るようなのにも気付かないように、ノアは頭を軽く振った。自分の中の常識と照らし合わせてみれば、それはまるで出来の悪い作り話としか思えない。けれど、トレックが嘘をつくような男では無い事も充分承知している。 「それも聞いた」 「何と言ったんだ?」
『確かに槍は斧に不利だが、だったら剣より早く突けば問題ないさ。さっきみたいにな』 隊長は顔を拭き終わり、さっぱりとした顔であっさりと言った。斧に対して槍は不利だというのは常識で、武器を扱う者なら、それこそ三つの子供でも分かる理論だった。だが、理論はあくまでも理論でしかない。世間、個人問わず、常識というのは常に意外性という侵入者に侵略されるものだ。 隊長は振り翳される斧をかいくぐり、振り下ろされ隙の出来た所に槍の一撃を見舞い、槍を引くと背後に迫る斧をかわし横になぎ払い敵を次々と倒していった。その動きは誰の目から見ても素早く、トレックにはまるで槍と剣を同時に扱っているように見えていた。 『それに、槍は釣り竿変わりにもなるしな。剣よりは便利だと思うぜ』 言いながらにっと笑うと、隊長はポケットから小さく丸めた釣り糸と針を取り出して見せた。
「成る程…達人の業だな。お前が槍に固執するのはそういう事があったからなのか…」 ノアは腕を組むと深く感心したように感嘆の口調で呟くが、トレックはまるで熱のない口調で相棒の賛辞に応じた。 「別に固執してるつもりはないけどな。確かに斧より重くないし、槍は釣竿代わりにもなる。こんな便利な道具はないだろ」 相変わらずの口調に軽い頭痛を覚えながらも、ノアは気を取り直しぼんやりとしているトレックに話しかける。 「それで、その隊長は今何をしているんだ?」 「さぁ。エトルリアの貴族の娘と結ばれたとも、自由騎士を続けているとも聞いたが、どうなのか分からないな」 高い山々の間に沈みかけた太陽の光を浴び、キラキラと光る湖面を眺めながらトレックは首を軽く捻った。 「それはそうと、明日の支度は出来ているか?」 「明日?」 「リキアの盟主、オスティア公の要請でオスティアへ赴くのだとゼロット隊長に言われていただろう」 返ってきた答えはまるで覚えの無い事を質問されていると言いたげで、額に手をあて眉間の皺を寄せ声を強くするノアにトレックは、あぁ、と竿を持ったまま器用に手を一つ打つ。 「そういえばそうだったな…よっ」 もう一度引き上げた竿の先には今度は魚がかかっており、手にした糸の先にはぴちぴちと勢いよく身をくねらせている魚がいた。 「お、釣れた。晩飯が出来たぞ」 「一匹だけで足りるか」 呆れたようにいうノアにトレックはそうか?と、びくの中を覗き込んだ。 「リキア…か」 小さく呟いたトレックにノアは振り返り、真面目な顔を向けた。 「トレック。その隊長ともう一度出会って、もう一度挑まれたらどうする?」 「その時は挑まれる前に逃げるさ。次に会ったら見逃してくれそうにないからな」 ははっと小さく笑い、トレックは槍先から糸と針を外すと小さく丸めズボンのポケットに仕舞った。ノアはその返事に何も返さず、小さく頷くと黙って歩き出した。
もし今度の戦いで生き延びることが出来て、またこの湖で釣りをする事が出来たなら隊長の言っていた「美人で腕の立つ天馬騎士の3姉妹」を探してみようかと思った。 そして、隊長はどんな人物だったのか聞いてみるのも悪くないとぼんやり考えながら、魚が1匹だけ入っているびくを肩に担ぎトレックはのんびりとノアの後ろを歩き出した。
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さて、隊長は誰だったのでしょう?(笑)
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