たま日記
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2006年09月18日(月) 美味

い。

チヂミを食べてきました。ウマー♪
そして、家でもチヂミ粉買ってきてチヂミパーティー♪
我ながらウマー♪(自画自賛)


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『俺達の隊長様はリキアの田舎騎士で、おまけに今は主君を無くした"自由騎士様"だ』
それはベルン王国の軍隊にイリアの傭兵として雇われ、個々の隊に別れ行動している最中の出来事だった。
軍隊は騎士隊と傭兵隊に大きく別れ、トレックはその中の傭兵隊の一つの隊に配属された。傭兵であるからその顔ぶれも正規兵とは違う。傭兵の多くもベルン出身者で、自分のようなイリアの傭兵は珍しく少なかった。
隊長は元はリキアの騎士だったというが、今は自由騎士となって様々な国を巡っているらしかった。
傭兵という気質柄、騎士が自分達の上に立つというのも気に入らなければ、今は無様に落ちぶれた男が偉そうに自分たちの上に立つという事実も気に入らず、難癖をつけているという訳だった。ここで逃げ出すような腰抜けなら用は無いし、剣を抜くのなら相手になるつもりなのだろう。
隊長を囲むようにずらりと雁首を揃え、腰の剣をちらつかせながら挑発を続けている男達をトレックは椅子に座ったままぼんやりと眺めていた。
『上からの命令で居座ってるだけの腰抜け野郎が』
男の一人が顔を近づけ上唇を吊り上げるように笑うが、隊長は腕を組んだまま黙って男の言う事を聞いていた。
『何か文句でもあるのか?』
脅すような口調で挑発を続ける男に、隊長は片眉だけを器用に上げて見せる。
『お前らは金で雇われているんだろ?別に上の規則に従わなくてもいいが、強いヤツには従え。それが傭兵の不文律だろう』
男達の間にざわりと不穏の黒い糸が一瞬で張り巡らされる。
『お前が俺達より強いとでも言うのか?』
低い声に抑えられない怒気をはらませ、怒りに顔を赤くした男がじろりと隊長を睨みつける。だが、隊長は不遜な笑顔で、そうだ、とそれだけを言う。
男達は剣を一斉に引き抜くと、怒声を上げながら隊長へと切りかかっていった。だが、隊長は武器を抜く事もせず、男達の動きに目を走らせると素早く組んでいた腕を解き、拳を握り固めた。
怒号と悲鳴の交差する中、遅々とした始まりに反するように、終わりはあっけなくやってきた。
転がっている男達の呻き声の合唱を背に、隊長はまた元のように腕を組むと、一人座っているトレックの方へ顔を向ける。
『お前も来るか?』
息一つ乱した様子も無く、隊長はトレックにそれだけを短く言った。その目は確かな殺気を纏い、それは決して脅しでも何でもない事を示すように鋭く光っていた。

「受けたのか?」
どこか緊張した面持ちで尋ねるノアにトレックは大欠伸をすると目を擦った。
「断った」
「は?」
「だから、断った。やめとく、ってな」
「何故だ?」
「何故って言われてもなぁ…」

『何故だ?』
隊長はトレックの正面に立つと、金属を擦るようにして腕を組み直しトレックを見た。
『あんたには勝てそうに無い。余計な怪我はしたくないしな。第一面倒だ』
目を見張る程の強さを見せ付けた隊長に、だが、トレックは物怖じせずあっさりと言う。じっとトレックを見ていた隊長は、にやっと意味ありげな笑みを浮かべると、よろけながら詰め所から出て行く数人の男達の後ろ姿を指差した。
『いい判断だ。俺は自分に敵対して向ってくるヤツに容赦はしない。勝てそうに無い相手に無理に突っかかってもつまらん怪我をするだけだ』

「でかい口を叩くヤツだな」
ノアは呆れたように言うが、トレックは胡坐を組みなおすとぼんやりと呟いた。
「それから、隊長と何か色々話をしたなぁ。殆ど忘れたけど」

『それに正直俺は、イリアの傭兵とは戦いたくない』
多分、微かに驚いたように自分の顔を見るトレックに、隊長はトレックの鎧を指差しながら懐かしそうに笑う。
『イリアの傭兵には昔馴染みがいる。美人で腕の立つ天馬騎士の3姉妹だった。知っているか?』
イリアでは女はペガサスに乗り、ペガサスに乗れない男は馬に乗る。傭兵が国の産業である以上、一家に姉妹、兄弟は多い。『天馬に乗った姉妹』はそれ程、数え切れないほどいる。
『ペガサスに乗った姉妹は数え切れないほどいるからなぁ』
そう答えるトレックに隊長は小さく頷くと、にやりと笑う。
『ペガサスに乗った姉妹は数え切れないほどいる、ね。イリアの女の子達は美人揃いだ。俺はお前が羨ましいよ』
『そうか?』
『何だ。女の子に興味ないのか?』
『さぁ?』
『面白いヤツだな』
『あんたもな』
隊長は声を詰まらせたように笑い、トレックは変わらない表情で笑う隊長をただ眺めていた。

「騎士にあるまじき言動だ」
憮然とした顔で言うノアに、トレックは眠そうな目を向けた。
「まぁ、でも確かに腕は立ったな…よっ」
小さな声と同時に引き上げた先には銀色の鱗を持つ魚が引っかかっていたが、激しく身をくねら、ぴんっと戒めを解くと水中へと身を躍らせていった。
だが、トレックはさして残念がる様子も見せず、針に餌を括りつけると気の無い動作でも手馴れた仕草で湖に放り込んだ。
「それから、俺達は戦地に赴いた訳だが、そこであわや全滅の危機に陥ったんだ」
「どうしてだ?」
「情報が間違っていたからさ。剣を使う者が多いと聞かされていたから、俺たちの装備は槍が殆どだ。だが、実際行ってみれば圧倒的に斧を使う者が多い。槍に斧は不利だからなぁ」
のんびりと話すトレックに緊張感はまるで無く、ノアは本当に全滅の憂れき目に遭ったのかと訝しく思ったが、嘘をつくような男では無い事も知っている。
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引くわよ〜(笑)
次で終わり。


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