たま日記
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に。
バブの入っていない、素風呂に入りました。 お湯が透明でちと感動(笑) 絵の具風呂は、視覚的にけっこうショッキングなのですよ。 皆様。
ーーーーーーーー 囲まれたと知ったのは随分前の事だった。
モルフと化した一人の兵士が突き出した槍がリンの足を掠める。 熱い痛みと共に噴出した真っ赤な血が、リンの足を瞬く間に染めていき、痛みにバランスを崩したその頭上めがけて銀の穂先が襲いかかる。 「リンディス様!」 ケントに突き飛ばされた拍子で地面に転がり、その穂先をリンは寸での所でかわす事ができた。が、その代償は酷く大きなものだった。 振り返ったリンが目にしたのは、自分を狙っていたはずの穂先が、今はケントの左腕を切断しようとしている瞬間だった。 兵士はそのまま完全に貫通した穂先を回しながら、無造作に槍を横に振るう。 色々なものが引き千切られる音が響き、それからびしゃっと濡れた皮袋が地面に叩きつけられるような音がした。 「ぐっ…!」 血に染まった自分の左腕が地面に落ちているのが見え、ケントは噛み殺し切れなかった呻きを歯の間から漏らし、溢れる血を止めようと剣を握っている手で己を抱え込んだ。 その隙をつくようにして別の兵士がケントに向って剣を振り下ろすが、ケントは身を沈めそれをかわし、反対に足払いをかけその兵士を倒す。 バランスを崩し無言で倒れたそのモルフに、右手一本で構えた剣を、恐怖も何も無い、ただこちらを見つめる金色の瞳めがけて振り下ろした。 突き刺すというより身体を倒すほどの勢いでモルフの顔面を貫く。その勢いで左手から大量の血が流れ出て、心臓が大きく脈打ち目の前が闇に包まれるのを歯を食いしばって耐えた。 だが、立ち上がったその横を風が吹きぬけたと思うと同時にケントの身体は大きく弾き飛ばされて、地面に叩きつけられた。 「…っ」 声も出せないほどの嘔吐感を感じ、ケントは真っ赤な血を吐き出す。 痛みを感じる部分に手を触れてみても、そこに有るべき感触は感じられない。 飛竜の尾に弾かれ、折れて砕けた肋骨が内臓だけでなく肺にも突き刺さったのか、呼吸すら酷く激痛を伴う。 「ケントっ!!」 だが、その激痛も背後から聞こえた声に一瞬で掻き消される。ケントは素早く立ち上がると、頭を噛み砕こうと顎を大きく開いた飛竜の喉めがけ、体ごと右手を突き出した。 左腕が千切れ、内臓を損傷しているのは明らかなのに、ケントの動きは信じられないほど軽やかだった。 右腕を銜えこむように顎が閉じられ、その剃刀のような歯が右手に食い込むが、ケントは肉が裂けるのも構わず渾身の力をこめ飛竜の頭蓋骨を砕く勢いで剣を突き出す。 右腕に確かな感触があり、同時に何かが砕ける鈍い音が響く。頭の先から銀の刃を生やすようにして、飛竜はどうっとその場に崩れ落ちるが、騎乗していた騎士はその影に隠れるようにしてケントの前に躍り出ると、すかさずオウル・パイクを心臓目がけて真っ直ぐに突き出した。 穂先の断面が四角で、細長いこの槍は金属鎧も容易く貫通する。 盾は千切れた左手と一緒に地面に転がっているし、右手は今だ飛竜の口に銜え込まれたままでは避けようがない。 モルフはケントの横を取っている。身を捻る間もなく、モルフの突き出した細い刃がケントの金属鎧を貫き、同じ軌跡のある心臓を刺し貫いた。 だが、モルフは素早くオウル・パイクは引き抜くと、続けざまに胸にもう一度、腹部に三度続けて突きをいれた。 致命傷となる攻撃を五度受け、ケントの体からは噴水のように真っ赤な血が溢れ出し、激しく脈打っていた心臓の動きが急速に鈍くなっていく気がする。 間断なくモルフはオウル・パイクをケントの眉間目がけ突き刺そうと胸を逸らしたその瞬間、飛竜の牙の刺さっている右手を無理矢理引き剥がし、反対にモルフの眉間に剣を突き刺した。 ぐらっと揺れ、自分に向って倒れてくるモルフを避けると、ほとんど聞こえなくなったが、まだ動いている心臓が止まらないうちに倒せるだけ敵を倒すと誓い、向ってくるモルフに向けて剣を振った。
やがて動く者が自分達二人だけになったのを知ると、ケントは初めて崩れるようにその膝を自ら地に付けた。 「ケント!ケント!」 自分を抱えているはずのその感触もおぼろげになり、泣き叫ぶリンの声すら酷く聞き辛い。 「リン…ディス様…どうか…生き…て…ください…」 震える指先でリンの手をやっと握る。それだけが、精一杯なのが残念だった。
ーーーーーーーー バタやんと話して考え付いた一品。 「報われない、もしくは夢オチ無しの悲しいお話」 書いてる本人が辛いんです…←この程度で?って、笑われそうですが しかも、まだ続くらしいよ。
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