与太郎文庫
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2007年03月01日(木)  25パーセント屋 〜 馬耳東風 vs 馬耳念仏 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070301
 
 先崎八段は、米長門下の俊英である。しかし、師匠が気に入らないの
は服装のセンスである。大事な対局に、ジャンパーで現われたりする。
「きみ、その格好はないだろう。まるで競馬に出かけるみたいだ」
 
 すると弟子は「どんな格好ならいいんですか」と反問する。
「せめて、セビロぐらい着てくるもんだよ」
「あぁ、それなら、いつも競馬に行くときに着ています」
 
 師匠も弟子も、ここぞという大一番で羽生名人を負かした棋士である。
 たぶん将棋の道では、大いに認めあっているはずだが、こういう話題
になると、てんでウマが合わないようだ。
 
 米長も、根っからの競馬ファンである。25パーセントの寺銭は不当
に高いとボヤキながら、せっせと負けつづけた。このクラスの勝負師に
なると、博打に勝てるわけがないことを承知しているのだ。
 
 ところが、ふつうのバクチ好きは、競馬もパチンコも花札も、いつか
勝てると信じこんでいるフシがある。
 いっそ中学の数学で、博打に勝てないわけを教えるべきではないか。
 
 ギャンブル場に勝者はいない。A winner is not in a gamble place.
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050130
 中学生諸君! 〜 与太郎の教材 〜
 
── 岩手競馬の新しい再建策の前提となる330億円融資案の県議会審議
が大詰めを迎えている。知事選、県議選を控え、県民負担につながる融
資に否定的な考えの議員が多いが、否決となれば競馬事業は廃止が濃厚。
── 《河北新報》
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/03/20070307t31020.htm
 
 公営ギャンブルは、貧しくて働きたがらない連中を無料バスに乗せ、
それぞれが家族からくすねたハシタ金を地方自治体がまきあげる。
 すべての業務を公務員が担当するので、赤字になっても気づかない。
 
 競馬は、もともと金持の遊びだった。持馬を自慢しあって、たがいの
馬券を友だちに売ったのがはじまりだ。
 子供の給食費を取りあげて、目の色かえたオヤジの遊びではない。
 
 馬主が上流なら、公務員は中流で、客は下流である。
 もちろん、金持も小金持もまぎれているが、ほとんどは貧しい。
 電話ノミ屋にいたっては、つぎのような暗黒のなかに棲息している
 
 どういう客が利用するのかというと、真っ昼間に雑談しながら、急に
立ちあがって、電話に向かい(いまのようなケータイがなかったころ)
一言二言いって受話器を置いてくるような人である。
 
 こういう人と仲良くなって、その友だちの知りあいの知りあい、とか
いう人とも仲良くなったことがある。薄暗いアパートの一室に案内され、
そこには指のない中年男が、ひとりで電話番をしていた。
 
 かつて広告代理店が出現したころ「なにしろ25パーセント屋だから」
とそしられた。その利ザヤさえあれば何でもやってのける、という意味
であり、値切られたら下請けにしわ寄せする、という業界でもあった。 
 
 与太郎は、一介のデザイナーとして、何度も広告代理店と争ったが、
ついに一矢を報いることも叶わなかった。
(このことは別稿で詳述するが、要するにカタギの経済感覚ではない)
 
 あるとき地方新聞社の広告担当者いわく、むかしはもっとひどくて、
「士農工商、広告とり」などと陰口をたたかれたそうだ。
 のちに“マダム15パーセント”ことイメルダ夫人も登場した。
(20070312)
 


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