与太郎文庫
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2006年01月12日(木)  笑み 〜 歌会始の儀の歌 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060112
 
 天皇陛下
「トロンハイムの運河を行けば家々の窓より人ら笑みて手を振る」
 皇后さま
「笑み交(か)はしやがて涙のわきいづる復興なりし街を行きつつ」
 皇太子さま
「いとけなき吾子の笑まひにいやされつ子らの安けき世をねがふなり」
 同妃雅子さま
「輪の中のひとり笑へばまたひとり幼なの笑ひひろがりてゆく」
 秋篠宮さま
「人々が笑みを湛へて見送りしこふのとり今空に羽ばたく」
 同妃紀子さま
「飛びたちて大空にまふこふのとり仰ぎてをれば笑み栄えくる」
 常陸宮さま
「わが手より放すてふてふを見あげつつエルサルバドルの子と笑み交はす」
 同妃華子さま
「飛行場にむかふる人の面(おも)の笑み長旅のあとの心やすらぐ」
 三笠宮妃百合子さま
「みどり児は何を夢みる乳たりてねむりながらもほほゑみにけり」
 三笠宮寛仁親王妃信子さま
「笑み忘れすごせし日々の苦しさをたすけたまへる君あたたかき」
 高円宮妃久子さま
「笑みをもて見守り給ひし子ら三人(みたり)のしぐさ日に日に大人めきたり」
 
 ◇
 
 召人 森岡貞香さん
「やはらかき春の日差しに笑まふなる小さき草の花見むと思へや」
 選者 安永蕗子さん
「春の雪ましろに降れば火の山の阿蘇の煙も笑むがにゆらぐ」
 選者 岡野弘彦氏
「天の戸をあなおもしろと分け出でし神の笑まひに世はまかがやく」
 選者 岡井隆氏
「辿り来し道のはたての雪明かりおのづからわが笑みて立つべし」
 選者 篠弘氏
「春の日にわらわらゑまふ伎楽面呵呵大笑を聞くごとくゐる」
 選者 永田和宏氏
「笑ふ兎笑ふ蛙やほうほうと鳥獣戯画に秋風の立つ」
 
 入選者(年齢順)
 
 徳島県 藤川浅太郎氏(79)
「鏡見て笑ふ稽古をするといふ仕事であればきびしからむか」
 福井県 武曽豊美氏(76)
「宇豆賣(うづめ)舞ひどよめき上る笑ひ声天の磐戸は開かれにけり」
 山口県 中西輝磨氏(74)
「面白きところを読みてゐるならん本を読む子の目が笑みてゐる」
 鹿児島県 福満薫氏(71)
「おほどかに笑みこぼしゐる田ノ神を水にうつして田植ゑ始まる」
 東京都 醍醐和さん(68)
「子どもらのましてや老いの笑まふ顔ひとつもあらず古きアルバム」
 高知県 安光セツ子さん(65)
「われ笑めば母も笑まひぬおほかたの過ぎ来し日々は忘じ給ふに」
 茨城県 出頭寛一氏(62)
「赤とんぼ群れ飛ぶ秋のまん中へ母の笑顔を押す車椅子」
 東京都 松本秀三郎氏(61)
「定年の日に水族館を訪ねきて●(えひ)の微笑み見上げてをりぬ」
 岡山県 岩藤由美子さん(52)(●=魚ヘンに「西の下に早」)
「ぎこちなく笑ふことから始まれり仲直りせし朝の食卓」
 東京都 桧山多代さん(24)
「電話鳴り出るたび笑みがこぼれだすまだ言ひ慣れないあなたの苗字」
 
── 《読売新聞 20060112 13:28 更新》
 
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http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060112 笑み 〜 歌会始の儀の歌 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060113 歌会始 〜 年譜/御題一覧 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060114 老いらく考 〜 与太郎の歌会始 〜
 
詠進の期間 お題発表の日から9月30日(郵送消印)まで。
 〒100-8111 宮内庁あて、封筒に「詠進歌」と書き添える。
(↓お題一覧)
http://www.kunaicho.go.jp/12/d12-02.html
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