与太郎文庫
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1985年04月01日(月)  一声二顔三姿 〜 団十郎への道 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19850401
 
 たとえば、先代染五郎あたりの世代は、歌舞伎のような古典芸能は、
もはや過去の遺物で、どことなく卑屈に、しぶしぶ照れながら演じて
いたようにみえた。
 
 むかし知りあった日舞師匠に、市川海老蔵(のちの団十郎)について
意見を求められた。なんだか武張ってるね、というようなことを云うと、
師匠は得たりとばかり、いろいろ専門用語をつかって非難した。
 
 そのころ、テレビの現代劇で若尾文子と共演したり、女装で《道成寺》
を踊ったりする映像は、いかにも場違いな印象だった。
 そもそも背広や振袖が似合わなかったのだろう。
 
 その後、団十郎を襲名するにあたって水垢離をとったり、鳴物入りの
パフォーマンスを経て、息子が海老蔵を継ぐ前に、父子そろって隠し子
騒動がばれて、やっぱりなぁ、と素人なりに考えていた。
 
 だが、あるとき《白浪五人男》を観て、しかるべき本舞台に立つと、
さすがに存在感がある。これはもう、演技力とか血筋を論じるよりも、
柄が合っているとしか云いようがない。
 
 また、しばらくして《幡随院長兵衛》を観ると、実生活はともかく、
男伊達や侠気が匂いたって申し分がない。パリ公演で、息子の“睨み”
にいたっては、まるで全盛期の天然記念物を観るようだった。
 
 「パリで感じたのは、エッフェル塔やなんかが威張ってるんですね。
こういう古いものが、自信をもって威張れるように、われわれも誇りを
持たなければいかんな、と思ったわけでございましてね」
 
 ▽ プレミアム10
 
── 《NHKアーカイブス 20081213 10:05〜11:25 NHK》10:54
── 《NHK特集「大看板 團十郎への道」19850405 NHK》
── 《オペラ座の弁慶 團十郎・海老蔵パリに傾(かぶ)く 20070323 NHK》
 
── 歌舞伎界を背負って立つ一人、十二代・市川團十郎さんがゲスト。
スケールの大きい骨太な演技が魅力だ。市川團十郎さんが團十郎を襲名
したのは1985年。 300年以上続く歌舞伎界随一の大名跡を受け継ぐ誇り
と重圧。襲名式を迎えるまでのNHK特集をもう一度見つめながら、日本
文化の奥深さや日本人の心意気について語る。さらに、病と闘いながら
パリ公演という新たな挑戦に向かう團十郎さんの生きざまについて話を
うかがう。
【出演】市川團十郎,【司会】林家いっ平
 
 海老さま三代 〜 屋号は成田屋、定紋は三升 〜
 


 市川 海老蔵 9 歌舞伎俳優 19090106 東京 19651110 56 /籍=堀越 治雄/團十郎11
/松本 幸四郎 7の長男/元祖「海老さま」
── 《助六由縁江戸桜 1946 》初役(小学生の与太郎も自画像に“助六ばり”と添書)
 
 市川 海老蔵10 歌舞伎俳優 19460806 東京 /籍=堀越 夏雄/團十郎12/俳名=柏莚
/200810‥復帰会見「白血病の影響で血液型がA型からO型に変わった」/替紋=杏葉牡丹
 
 市川 海老蔵11 歌舞伎俳優 19771206 東京 /籍=堀越 孝俊
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030213 隠し子会見

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081209 一顔二声 〜 一声二香、三に金 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050327 ホリエモンは男でござる 〜 大江戸男伊達 〜
 
(20081213)
 


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