与太郎文庫
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1978年06月14日(水)  オール・ディ・イン・ビジネス

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19780614
 
 販促懇談会 PRAD 紳士録 �� 河部 克己 氏
 
【かわべ・かつみ】昭和16年津山市に生る。東京での研修時代を経て39
年帰郷。現在は、株式会社オール・ビューティ・ケイ代表者として美容
室ピコ&エイコの二店を経営。このインタビューの時点では具体的構想
はもらされていないが、来る11月23日に川崎イーストランドハイライフ
プラザに、第三店舗を出店。
(インタビュアー:難波 あきら)
 
 
 
──きょうはまず、何時に起床されましたか? 
 
6時40分くらいだったと思います。
 
──はじめに考えられたことは? 
 
そうですね、今日もがんばろうではないか、といっても、別におてんと
うさまを拝むわけじゃないんですが、毎朝そんな意味のことを肝に命じ
ることにしています。
 
──もうすこし、くわしくご説明ください
 
昨夜は、取引先の社長と、リコーのコンサルタントをなさっている大森
先生のお二人にお会いして、いろいろお話をうかがいまして、私の経営
理念も、おおいに軌道修正しなければならない、ということを強く感じ
ました。まず翌朝から、できることを実行しよう、思うだけなら毎朝思
ってきたつもりですが行動が伴わない面を反省して、今朝は、誰よりも
早く出勤しようと決心しました。
 
──それで、何時に出勤されましたか? 
 
8時半の開店で、全員8時までに出勤するのですが、いつも私は8時20
分ごろ、朝礼の前にノコノコ顔を出していました。今日は、そんなわけ
で8時5分前に着きました。
 
──すると朝食は? 
 
今朝は抜きましたね。いつもはコーヒーが好きですから、近くの人たち
と誘いあってモーニングサービスの時間に、喫茶店に行く日が多いです
ね。
 
──朝令では、どんな話をされましたか? 
 
週のはじめですから、今週の目標や予定を説明して、私の店の《七つの
心得》というものがありますので、今日はその何番目の日に当る、とい
うようなことを話します。
 
──もう一軒のお店には? 
 
朝令のあと30分くらい、カウンターでカルテを見たり、受付を手伝った
りして、朝いちばんのお客さまに、さわやかなごあいさつができるよう、
最近とくに努力しています。それから事務所に寄りまして、昨日の伝票
を見たり、釣銭の用意などして、つぎの店の朝礼に間にあうように出か
けます。こちらは10時に開店します。
 
──さわやかな朝いちばんの、あいさつを聞かせてください
 
いらっしゃいませ、ということばに、感謝をこめて、ひと一倍大ぎな声
でいうわけです。誰がみても男は私ひとりで(笑)せいいっぱい大声を
はりあげることにしています。
 
──そのあと、午前中のスケジュールは? 
 
もういちど事務所に戻りまして、伝票とカルテを検討します。とくにカ
ルテは、私が念入りにチェックしまして、お客さまのご意向に気を配っ
ています。このあたりで11時半くらいになりましょうか。お腹も空いて
まいりますので、今日は何を食べようか、なんて考えます。
 
──お昼は、出前ですか? 
 
できるだけ、近くのお店に出かけるようにしています。昨日はあの店だ
ったから、今日はこのお店にしよう、というわけで、毎日ちがった店で、
スマイリーにふるまえるように努力しています。私どもの場合、そこま
でやらなくてはいいんじゃないか、というような行動が、そのあと始ま
るわけでして、自分の店を外側から観察するためにも、他の業種の方々
を訪問することにしています。石屋さんとか広告屋さん、そば屋さん、
不動産屋さん、カメラ屋さんというふうに、あらゆる業種のお店を毎日
五軒くらいは回るように心がけています。二時間くらい歩くことになり
ますね。
 
──情報収集というわけですね、目下のテーマは? 
 
たとえばショッピングセンターなどが増えつつあることですね。この場
合の情報源は、不動産屋さんですね。私など、たえず見えない敵に恐れ
おののいておりまして(笑)他府県からの引きあいがあれは教えて下さ
ることもあります。どうもありがとう、といって大家さんに会いに行く
こともあります。依頼主との話が進むようでしたら、私どもの方にも声
をかけてくださいね、と念を押します。同じ業種を入れられる場合には、
かならず相談できるようにしておきます。せんだって効外にショッピン
グセンターができる、という話がありまして、出店しないか、と誘って
いただいた折も、先方の社長とお会いして私どもの業界は、現在こうい
う状況なんですよ、もし私どもにやらせていただくなら、こういう条件
でお願いしたい、というようなことを具体的に伝えて、理解していただ
きました。それと逆に、先方の社長からはショッピングセンターのもつ
悩み、といった問題点をくわしく聞かせていただいたり、いろいろ参考
になりました。きょうは午後から岡山に出て参りまして、こんどはご同
業のお店を二軒ばかり訪問してから、この会場に釆ました。岡山での情
報もいろいろ収穫がありました。それというのも、私に自信があるよう
で実はないからなんでしょうね。
 
──河部さんを知る人は、そのパイタリティあふれる行動力はもとより、
すべての基本に忠実な経営者として評価されています。やるべきこと、
やらなくてはいけないことを、きちんとやっておられる。その姿勢は最
初からのものか、それともある時点で自分にいいきかせて、そうなられ
たのですか? 
 
もともと私には、自信というものが持てないんですよ。自分の将来を、
ある程度まで予測できる人と、できない人とがあると思うんですが、私
の場合、まったく予測できないんです。昨夜も経営コンサルタントの先
生に質問されたんですが、三年後のビジョンはどうか? 私は一年後な
らなんとか考えられるんですが、三年先はとてもだめです(笑)みなさ
んのように学校を出てるわけではないが、自分の欠点については、自分
がいちばんよく判ってるわけでして、本を読むにしても、人が一回で理
解するところを、私は五回読まなければいけないんだ、というような気
持が、ひとつの基本になってるかもしれませんね。そういう気持で一日
に30分でも努力すれば、かならず積みかさなるんだと思って、いつも子
どもや家内に話しています。
 
──いまの美容室は、いつから始められたんですか? 
 
それが、まだ四年足らずなんです。
 
──わずかの年月で、その市場のトップに立たれた秘訣は何だったとお
考えですか? 
 
私どもの業界に限りませんが、多店化構想にしても、若いかたは思いき
ってやられますね。私どもは、半年あるいは一年先のビジョンもできて
ないのに、出店など考えない。少くとも一年前には準備ができていなけ
ればならないと、思いますね。ところが若いかたの場合は、もののはず
みみたいに、どんどん始められて、みごとに当ることがあるんです。そ
して当った場合は自信がついて、一年に何店というような目標を立てら
れ、あっというまに数十店も達成される、都会ではそういう例も多いん
です。そういうかたが、もし私どもの市場をねらわれたらどうなるか。
全回的なシェアからみれば、津山あたりは針の穴にもひとしいかもしれ
ないか、ねらわれた方では命がけにならざるを得ない。企業として生き
のこるためには、守備体制も敷いておかねばなりません。今回も私ども
のサマーキャンペーンでは捨看板を150本も予算に入れておりますが、
この数も美容室として、しかも津山市内で、あるいは多すぎるかもしれ
ませんね。しかし今までの経営指数をみて、おそらく今年あたりは、飽
和状態に達しているようだから、このへんで気持をひきしめて、宣伝に
もテコ入れしておかないと、老化現象におちいってからでは遅いし、早
いうちに軌道修正しておくべきではないか、と判断した結果です。
 
──日本の経済が、高度成長の頂点をすぎて、低滞しているのも、その
指数の鈍化が原因ですね。つまりは前年比が、前々年比にくらべて少な
い、ということなんでしょうけれど。
 
私の、独自の計算法というのは、たえず一年前と現在との比較なんです。
過去のデータといいましても、二年前のものは参考にならない、と思え
るんです。現在が6月であれば、昨年の5月以降のグラフをたどってみ
れば、問題点は明らかになります。たとえば収容力ということについて
も、その根拠を見きわめた上でないと、ただ売れてるから、もう一店増
やしてもいい、ということにはならないと思います。
 
──社外プレーンとか、特別の協力者はいらっしゃるんですか? 
 
同じ人でなくて、ちょうど昨夜の取引先の社長や、経営コンサルタント
のような専門家にお会いしたときに、目いっはい勉強させていただくわ
けです。それ以外は、社員による月例会で、私がテーマを出して相談し
たり、個々の展開はそれぞれの担当者かグループを組んで進行します。
株主総会も、小さいなりにきちんと形式をふんで、意見を求めます。私
はよく、あれだけいわれても聞いてるね、といわれるくらい、聞き役に
つとめています。そして私なりに考えをまとめて、ミックスした結論を
出します。たとえば金融事情など、よく判らない場合には銀行の専門家
に来てもらって、代りに答弁してもらうとか(笑)先方も私の熱意に負
けて、よろこんで来てくださいます。
 
──夢でも、仕事のつづきが登場しますか? 
 
枕もとに筆記用具を置いて来ます。年に数回は、夢で結論が出る、とい
うことがありますね。とくに大きな問題を抱えている場合ほどね。
 
──おしまいに、ピコ&エイコ美容室のコマーシャルをどうぞ。
 
お客さまに、愛され親しまれるように、従業員一同が心したいと念じて
います。
(1978・06・14/プラド第28回例会より)
 
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【はんそくこんだんかい】
 昨年末に発足した広告量伝関係者の研究会。PRとADを併せて《プラド》
と略称。広告主、媒体、代理店、制作者など、さまざまな立場の会員が、
毎週おなじテーブルについて意見を交換、この11月で第52回満一周年を
迎える。会報第1号では《印刷入門》のタイトルで実用的なハンドブッ
クを刊行、第2号《媒体入門》も近く完成予定。このシリーズは会員ひ
とりひとりのパーソナリティを紹介するもので、次回はスクリーン印刷
の土井文郎氏。会場は内山下1-2-11〈サモワールサロン〉Tel.24-2376。
毎週水曜日、午後2時または6時(隔週交互)から約2時間。これまで
の出席者は、講師を含めて20人を超える。
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19781007
── 河部 克己《オール・ディ・イン・ビジネス 19781007 月刊山陽》
── 《販促紳士録 19780614 PRAD》
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19771206
 PRAD《印刷入門》例会レポート(簡易印刷)
 
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(20061107)


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