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■ (日記) 語り処の意味・・・・・・
店のキャッチフレーズ「語り処」を過去何度かとっ違えて来た人が居たのだが、一昨日フリーで来たお客様もそうだった。 見れば初老の紳士。 先ずはbeerを注文し、一口飲みながら、「ママさん、外の看板に語り処と書いて有るけど、ママさんが落語か物語でも語ってくれるの?」と、お言いなすった。
アタシは苦笑しながら「いえいえ、そんな意味ではなく、お客様同士でゆっくり語りながらお酒を飲むとか、恋人同士で語り合うとか、相手が居ない人は仕方なしに私と語るとか・・・(苦笑)単にそんな意味合いなんですよ」 そう言うと彼は「そうなんですか・・・」と呟き、アタシにもbeerを注いでくれた。 どうやら彼は行きつけの店の看板がもう消えており、行き場をなくし、その語り処に興味を引かれ、入ってきたらしい。
ポツリポツリ語り始めた彼の話をアタシは頷きながら聞いていく。 どうやら彼はその日に定年を迎えたそうな。 40年間勤め上げた会社だと言うのでさぞや感慨深い思いを抱きながらのほろ酔いなのだろう・・・。 私の合いの手や質問に「そんなに根掘り葉掘り聞かないでよ〜」と言いながらも、本当は語りたいらしく(笑)「勿体無いから小出しに話そうっと♪」などとお茶目な事を言い、満更でもないお顔付き・・・。
所で・・・、アタシの店「からくり箱」になる前は、少し怪しげなスナックだったみたいだ。 外人の経営する店で、店で飲むのが本来の目的ではなく、そこからお客をデートに誘うと言う、所謂イロッポイ系の店だったそうだ。その名も知れた「ナイスボディー」 彼は過去、一度だけ迷い込み、誘いに乗った経験があると言う。 一昨日、行きつけのスナックがもう閉店していて、定年の寂寥感を紛らわすため、少しHっぽい気分になり入ろうとしたら、からくり箱に看板が替わっていたと言う訳だ・・・・・・。
「ナイスボディーのオネエチャンじゃなくて、こんな婆さんがやってる店で申し訳ないですけど、何かそんな気分になるって言うの・・・、私、解る様な気がしますよ・・・」 アタシがそう言うと「ママは、解ってくれるんだ・・・」と、少し照れたように、少し痛むように笑っていた。
彼はその後もbeerを飲み続け、歌を歌い、アタシの歌に頷き、アタシの誘導尋問に引っかかり(笑)結構色んな話をしてくれた。 「しかし、この場所が、こんなへんてこりんな店になってたとは、今まで知らなかったなぁ・・・。」 そう言い、彼は「又来るからね」と、千鳥足で帰って行った。
これからは自由な時間が溢れる訳で、奥方と人生を楽しむもよし、趣味に興ずるもよし、彼が言ってたように自叙伝を書いてみるのもよし、愉しい人生を謳歌して欲しいなぁ・・・。
一昨日の売り上げ、〆て3500円なり。
2007年05月09日(水)
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