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■ (日記) 恋心かぁ・・・・・・
二日前は店が静かで、早い時間は常連の男性(T)と、常連の女性(C)の二人だけだった。 最初は3人でくだらない話をしながら飲んでいたのだが、後に(T)が他店のマスターに呼び出しを食らい、慌てて帰って行った。 で・・・、(C)と二人だけになり、又くだらないおしゃべりを始めた時の事だ。
「ねぇねぇマキさん? こんな失礼な事を聞いたら本当に申し訳ないんですけど・・・、一つだけ質問しても良いですか?」 (C)が、かなり神妙な顔つきで改まった敬語を使い、私の顔を覗き込む・・・・。 アタシャ、店の事で苦言でも言われるのかと思い、チョット怖かったけど、 「ウン、いいよ・・・(ーー;) 何でも聞いちくりぃ!!」と腰をすえた。 でも、彼女の質問は全く予想外の事だった。
彼女いわく、長年このような店を経営しているアタシに、夫が居る事は重々承知はしているが、今まで他の人に恋心を抱いたり惚れられたりした事は無いのか? と言うものだった・・・・・・・。 (/。\)イヤン・・・!! 【ドギマギ・ドギマギ・・・!!】
「そりゃ有るべぇ・・・! コレでも昔はチッタァ〜モテた時期もあったからねぇ・・・」と、うそぶいてみた。 「それでマキさん・・・、そういう時はどうしてたんですか?」 (C)はものすごく興味津々のようだ・・・・・・。(笑)
アタシャ今の夫と暮し始めて、もう16年目になる。アタシ達はどこか欠けている割れ鍋に綴じ蓋のような夫婦関係で、もしやして、いまだ二人で一人前にもなれないのかもしれない・・・・・・。
二人は相棒であり、親友であり、肉親的であり、仇であり、ライバルであり、共犯者であり、ごくたまぁ〜には、まともな夫婦らしくもある可笑しな関係だ。 16年も居ながら、誰と一緒に居るよりも気楽で愉しく、二人の世界をなるべくなら邪魔されたくないなどと思っている夫婦など、不気味な関係だと思う・・・・・・。
アタシ達、もしもどちらかが先に死んでしまったとしたら、多分絶対に生きてはいられないと思う・・・・・・。 宇崎竜童&阿木曜子夫妻が、先日のTVのインタビューで「私たち夫婦の最後の望って、死ぬ時は絶対に一緒に死にたいんですよね・・・」と言っていたけれど、アタシたちも正にそれが理想だ。
んで・・・、話を元に戻すが、「そういう時はどうしてたんですか?」と言う質問に付いてだけど・・・・・・。
恋心って・・・、人にも寄るのだろうけど、アタシは自分の中でヒッソリ、コッソリと隠し育み、自分だけで愉しんでみたり、少女の頃のように感傷的になってみたり、溜息を吐いてみたりしてりゃ良いわけで・・・、決して他人(当の相手も含め)に悟らせてはいけないと思うのだ。 恋は成就させるもの・・・などと言う考えは、とっくの昔に捨て去った。 ただ、人間は常に恋心を持っていた方が人生に断然色が増すと思う。恋のときめきはどんな年寄りでも少年少女にしてしまう魔力が有る・・・。 昔はコレでも恋多き人間だったし、年を食ってからも人に惚れたり、又、惚れられ、告られたりした経験もある。 でも、最後の恋は確かもう10年近くも前の事だ。
彼も多分アタシに惚れていた。そしてアタシも彼への恋しさを感じながら、アタシ達は会えば常にこき下ろしあい、ジョークを連発し、一定の距離を保ち、それ以上は決して狭まりも広がりもしなかった。 しょっちゅう一緒に深夜まで飲んだり遊んだりもしたが、彼の事が大好きだからこそ、アタシはあえて永遠の友人で居る事を選択したのだ。 なので手を握った事も無ければ、胸の内を語り合ったりもしなかった。 強いて言えば暗黙の視線だけで結びついていたような気がする。
男と女はとどのつまり、くっつくか別れるかだけなのだ。 くっついたら嫌でも死ぬまで一緒にいるか、修羅場を向かえ無になるかしかない。 大好きな人ほど、関係を無にするのは惜しく、ずっと繋がって居たいと思ってしまう・・・・・・。
アタシは夫をこの世の中で一番大好きだ。二股をかけられるほどアタシャ器用な人間でもない。夫にされて辛い事は、アタシもしたくない。もしも、本気で恋をした時は夫を失う覚悟の上と言う事になる。そんなひっちら面倒くさい事はもうこの年になるとしたくない。 淡い恋心を抱くと言うことは滋養強壮剤のようなものなので、コレから先にも数百人くらいは好きな人が現れるかもしれないが、今の夫以上にウマが合う人間とはもうこの先出会うことはないだろう。 「・・・・・・だから、私は恋心が芽を出し始めると、慌てて刈り取り、皆、親友にしてきちゃったよ・・・」 そう言ったら(C)が、「何か私も同じ気持ちなので感動して涙が出そうになっちゃいました」と言っていた・・・。 え〜っ?? 涙出るほど感動する話かぁ〜??
こんな質問をするという事は(C)はトキメキ始めた証拠だ。 いいなぁ〜♪ 春だなぁ〜♪ アタシも、もうそろそろトキメいて見たい・・・・・・。
2007年03月29日(木)
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