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■ 【追悼エッセイ】可愛かったバッチオの死
昨日、仕事中に親友の【M】から「今朝、バッチオが死んじゃったよ・・・・・・」と言うメールが入った。
【M】夫婦とは、競輪選手であるご主人も含め、もう、かれこれ20年近くも家族ぐるみの付き合いをしている大親友である。 【M】家も、うちも、全員大の動物狂いであると言う事が仲よし度に拍車を賭けているのだろう・・・。
互いの夫や、子供達や、ペット達の成長を、(笑)ハラハラドキドキしながら、愚痴りながら一緒に見詰め合って来た仲でもある。
家に泊まり合ったり、ちょっとしたホームパーティーを開き合ったり、大人達全員が呑ベェな事も有り、ご主人の【T】と私が料理好きと言う事も有り、料理対決や何かを理由にしては一緒に呑むと言う、気さくな仲だ。 今でこそ互いの家は少し離れてしまったが、何でもホンネで話せる友人で、つい数日前も、営業がてら(笑)遊びに行ったばかりである。
【M】の家に遊びに行くと、真っ先に大きなシッポをブンブン振って、玄関先で迎えてくれるのが【バッチオ】だった。

無論、【バッチオ】は、飼い立ての仔犬の頃から知っている。 私と【バッチオ】は大親友なのだ。 恋人同士と言っても過言ではない。(笑)
その頃私は【EPOCH】と言う自分の店で、昼は【M】に手伝ってもらいながら、お昼のランチも出していた。 当時私達は店の3階のマンションに住んでいて、仕事以外でも【M】は【バッチオ】を連れちゃ、始終遊びに来ていた。
【バッチオ】は殊更、私の事がお気に入りで、近所まで来るとリードを離しても、一人で勝手に私の家を目指し、3階まで駆け上ってくると言う。(笑) 徐々に【バッチオ】の体が大きくなり、テーブルに物なんか乗せて置いたひにゃぁ〜、カップは倒すは、花瓶は倒れるは、お菓子はすっ飛ぶわ、ホッペタにビンタは喰らうは、【バッチオ】のシッポは凶器さながらで(笑)私達は何時も雑巾片手に気が気じゃなかった・・・。
私はムツゴロウさんよろしく、何時も転げ回りながら【バッチオ】とじゃれ合うので、【M】はそんな私に「本当にマキさんって、動物が好きなんだねぇ・・・」と半ば呆れながら感心していた。
そんな【バッチオ】とも、【M】達家族の引越しで離れ離れになり、たまにしか会えなくなってしまった。
1年ほど前【M】の家に又々大型犬(バーニーズマウンテンドッグ)の新入り【パン】ちゃんが来、【パン】は室内で飼われているのに、玄関先に追いやられてしまった【バッチオ】が私は不憫に思え、何度か【M】に「エコヒイキしちゃバッチオが可哀想じゃんかぁ・・・」と、抗議をしたことも有った。(苦笑) でも、雄と雌なので、致し方なかったのだ。
私は【M】の家に行く度、玄関先で時間を置き【バッチオ】を撫でながら語り合う。
『景気悪くて嫌だねぇ・・・・・・。溜まんないよ・・・・・・。おばちゃん、相変わらず貧乏でさぁ・・・。何か儲かる仕事は無いかしらねぇ・・・・・・』 そんな私の愚痴に【バッチオ】は耳をヒク付かせ「・・・・・・!」と上目遣いにジロリと人を見上げ、気の毒そうに溜息を付いていたっけ・・・。【泣き笑い】
つい先日行った時も、リンゴのひとかけらを【バッチオ】にあげながら、語り合ったばかりなのに・・・・・・。
あの時はまだ、全然元気だったのに・・・・・・ まだほんの9歳なのに・・・・・・・・
まさか、まさか、あの日が永遠の別れになるなんて・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日は仕事中にも関わらず、思わず泣けて泣けて仕方が無かった。 後から後から泪が溢れて、とても仕事どころではなかった。
直ぐに電話を掛けて【M】を慰めてあげたかったけど、帰りも遅かったし、昨夜はもう一人の友達からチャット仲間の誕生日を知らされ、お祝いチャットをするというので、そっちに顔を出し、【バッチオ】の事を忘れようとしていた。 少しでも頭から引き離したかった・・・・・・。
所々、私が無口になっていた事を、チャット仲間は気付いただろうか・・・・・・。 その時、私は泣いていたのだ。
今朝一番に電話を掛けたら、【M】は仕事を休ませては貰えないらしく、出掛け間際だったので、替りにご主人の【T】と話をした。
しかし、自分の子供と同じ程の愛しいものを亡くしたと言うのに、仕事も休ませてもらえないと言う厳しい現実が、私は辛かった。 【M】もさぞかし辛く、哀しく、心残りだったろう・・・・・・。 そんな哀しみを引きずりながら、【M】は一体、どんな思いで、仕事をするのだろうか・・・・・・。 【M】の心情を思うと、可哀想で、辛過ぎてならない。 最愛の家族を失ったと言うのに、最後の別れも、思う存分させてもらえないのか・・・・・・。
『動物の死って辛過ぎるよね・・・・・・』 泣きじゃくりながらそう言う私に【T】は
「うん、うん・・・・・・。でもさぁ・・・、そんな辛い思いを何度繰り返しても、やっぱり動物を飼っちゃうのって・・・、その辛さを越えるほどの、楽しい想い出や、癒しや、喜びを、一杯くれるからなんだろうね・・・・・・」 そう応えてくれた。 それでようやく、少し救われた想いがした。
バッチオ・・・可愛かったよね・・・・・・ マッチオ・・・優しすぎたんだよね...おまえは バッチオ・・・愛しかったよ・・・・・・ バッチオ・・・・・・
もう遊びに行っても会えないんだ・・・・・・ 迎えてくれないんだ・・・・・・
バッチオ・・・・・・・・ 大好きだったよ バッチオ・・・・・・・・ もっと、思い切り遊んであげればよかったね・・・・・・・・
バッチオ・・・・・・・・ 哀しいよ・・・・・・・・
嫌だよぅ・・・・・・・・・・・・!!!
バッチオ・・・・・・・・・・ バッチオ・・・・・・!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日のみそひともじ
鎖解け 自由気ままに 駆け回れ 愛しきバッチオ 尾っぽを振って
2003年12月10日(水)
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