みちる草紙

2005年12月06日(火) 愛それは儚く

こたつに首までもぐりながら、プロジェクトXを見る。
戦後、テレビの普及に押され低迷した時期もあったという、宝塚歌劇復興の物語。
進退の勝負を賭けた作品は、あのベルばらだった!(@_@)
いやぁ、見ながら何だか胸が熱くなって、感動で目が潤んできたわい。

ベルサイユのばらの雑誌連載当時は3歳だったから、リアルタイムでは読んでいない。
宝塚での初演時も、まだ小学校にすら上がっていなかった。遅く生まれ過ぎた。
そしてその舞台をテレビでも放映しており、それでこの作品を知ったと思う。
覚えているのは、階段の中ほどに佇むマリー・アントワネットの口上である。

『わたくしはフランスの王妃なのですから。この、マリー・アントワネットは!!』

そこで幕が下りたような…遥か遠い記憶。
見ているアタシの後ろで、父がぼそっと呟く。
『このマリー・アントワネットはほんまにおった人で、首を刎ねられるんよのう』

おとん、就学前の児童に向かってなんちゅうことを(-_-;)
果して、その言葉が幼い頭に長くこびりついて離れなかった。
'50〜'60年代、フランス文化が若者の間を席巻した時代があったそうだが
うちの父も例外ではなく、あれこれフランスをかじったようだ。

後年、小学生になってから単行本を買ってもらって読み
以来何十年と取り憑かれることとなる因縁の大作である。
ガキのくせに、現代の泰平の世の「恋愛もどき」は何てつまらないんだろうと思ったり。
いや実際、大人になった今でさえ思う。この絢爛豪華な大ロマンの迫力の前には
今どきの貧乏くさい不倫ドラマなんぞハナクソみたいなものだと。

まんがは色々と読んだが、何が一番好きかと問われれば、迷わずこれ。
自分のルーツはここに突き当たるような気さえする。

         

宝塚の初演でオスカルを演じたのは榛名由梨だったらしい。(その後アンドレ役)
美しく、かっこいい。確かに適役。やっぱり昔の女優の台詞回しはいいなぁ。
オル窓の宝塚公演もやはりテレビで一度観たが、その時榛名はクラウス役だった。
(なのに、番組では関西弁バリバリのおばちゃんになってて…(ノ_ー、))

会社の斜向いに宝塚劇場があるが、今でも沿道を熱いファンの群れが埋めている。
一度くらい、生の舞台を観ておくべきかしら。


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