みちる草紙

2005年11月25日(金) 隣人

夜7時頃、空き室の筈の隣室が騒々しかった。
ドアの開閉音、階段を忙しく上り下りする足音。
ベランダから通りを見ると、2tトラックが路肩に停まり
広げたシーツの上に、荷台から出した家財道具が並べられていた。
遂に、お隣に入居者がやってきたのだった。

防犯上、隣室に住人は居た方が良いのだが、ここ数ヶ月というもの
のびのび貸切気分を味わっていたので、ちょっぴり残念。
(大家さんの住む一戸建ての2階に、貸間はうちを含め2世帯だけ)

一体どんな人が入ったんだろう?変なやつでなきゃいいけど。

しばらくして慌しい足音もやみ、インターフォンが鳴った。
『あのう、隣に越してきました××と申しますが…』
出てみると、若い女性が玄関に立っていた。

『今後とも宜しくお願いします。
 これ、お口に合うかどうか分かりませんが(お菓子の包み)』
「わざわざすみません。いいのかしら、こんな…頂いてしまって」

若いのに、越してきた挨拶に訪れるとは今どき感心な。(気分は婆さん)
印象は、清楚で感じの良い女の子。うちの妹に少し似ている。
良かった、こういう人で。ほっとした。
部屋が随分長いこと空いていたのは、泣き寝入りを経験した大家さんが
条件を限定し、住人の募集を慎重にしたためと思われる。


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