カズが、内定をもらったらしい。 日本でも5本の指に入ると言われる一流どころ。 そこで数年きちんと勤め上げれば いずれ彼は一流のカメラマンになるであろう。 将来が半分約束されたようなものだ。 彼は学校に入った頃から いや、きっと入る前からだろう とにかくがむしゃらに努力して そこへとたどり着いた。 数年越しの努力が実ったのだ。 それは奇跡ではなく軌跡だ。 そんな彼だからこそ あたしがいくら好意を寄せたところで 邪魔になるだけかもしれない。 というマイナスな想いが溢れ出してきた。 就職活動が終わったら言おうと思ってた。 ずっと好きでした、って。 そうすれば少しは迷惑にならないんじゃないかと思って。 でも、こうして結果が出た今、あたしは 「やっぱり」という単語を多用している。 やっぱり迷惑 やっぱり言えない やっぱり諦める やっぱり・・・ 好きだ。 どうしようもない。 ここから一歩も動けない。
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