カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 抒情の後

=叙情の後=

なんのやるきも起こさないかぜ とおりぬけ とおりこす
うばわれてしまったよ 服を着る ちからも こえも
お腹のうらがわ筋肉が ちからが抜けて 張っていて 強張ったからだのふしぶし ほぐしほぐ
その足下。タオルケット
はしっこからだに巻いて
ようやく届いた指先で
らくだがらのパッケージ
寄せて、反す。気まぐれなたゆみのなかに、吐き出した。吸い込んだ。

いっぷくに余韻

ベッドに残るは ゆめのきをくと もぬけのからがら 散らばった ティッシュケットが、すこしばかり かぜに吹かれて ほろり、苦いね

ぼくは/わたしは
自己主張を失なった 吸い殻のなかに
愛し合ったきをく
押し込んで 棄てた


2008年09月11日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加