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『黒冷水』 羽田圭介 河出書房新社 - 2004年01月12日(月)

本作は史上最年少の17歳で文藝賞を受賞した羽田圭介の受賞作である。
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高校生の兄の留守を見計らって部屋の中をあさる中学生の弟という、内容的には家庭内における男兄弟において思春期にありがちな話なんだが、なかなか説得力もあり最後にミステリー的要素も含まれていて驚かされる面もあって楽しめた。

どちらかと言えば正常な兄・正気と異常な弟・修作とが交互に描かれており、見所はやはり二人の憎悪関係が徐々にヒートアップというかエスカレートして行く点だろうか。
私には男兄弟がいないので、本作のような状況は皆無であり、若干リアリティに欠ける内容であるが男兄弟がいる男性読者が読まれたら、きっと共感出来る部分が多いことだと容易に想像出来た。

どうしても作者が若いという点で、その人生経験の浅さから題材的に限定される為に割引して読んだ点は否めないが、ベテラン作家顔負けの文章の確かさを強く感じた。
筆捌き的には“もはや末恐ろしく”、既に“名人”の域に達していると言っても過言ではないような気がした。

もはや乙一さんもうかうかしていられない。
現段階での最大限の賛辞である。

評価7点。

2004年冊目 (新作2冊目)



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