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『半落ち』 横山秀夫 講談社 - 2003年04月04日(金)

実直な警官が病苦の妻を扼殺し、二日後に自首。だが殺害から自首までのあいだに“空白の二日間”が・・・
その二日間の行動の隠蔽に警察内部は揺れる・・・

章ごとにいろんな登場人物(警察官・検事・新聞記者・弁護士・判事・刑務官)が出て来てそれぞれの立場での正義と軋轢との葛藤を上手く繋ぎ合わせて描いている。

女性が読まれたら、多少なりとも殺された妻に対してみずくさいんじゃないかと思われるかもしれません。
でも、横山さんは力強い文章から男性の優しさを力いっぱい描写してると私は受け取りました。
読み方によって、各章の登場人物と梶警部との男の友情を描きたかったのかなあと思ったりしますがどうでしょうか。
全編にみなぎってるのは、男の肩にかかった重圧かなあ(^。^)
組織と個人に挟まれて葛藤する男たちが素晴らしいです。
それぞれの主人公が各編ごとに熱くさせてくれます。

普段、あんまりテレビの2時間ドラマなんかを見ない方には、いろんな知識がつく小説だと思います。

結構、一気に読めますが最後はスカッとするので(私はそうでしたが)是非未読の方にはお読みいただけたらと思ってます。

でも、キーワードとなって来る“人生50年”短かすぎるわと思った方、わたしだけじゃないはずですよね(笑)

評価8点。


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