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店員に声をかけようとして突然動きを止めた手塚を、乾は訝しげに見た。
「乾、お前だったら、どれがいい」 「俺?なんで?」 「お前にもひとつやるから、選べ」 「え」
思いがけない台詞に、乾は驚いて手塚を見た。 「付き合ってもらったからな。プリン、好きなんだろう?」 「や、まあ、好きって言うか…」 「違うのか?」
冗談で言っているのかと思ったが、手塚の顔は真剣だった。乾はしばし呆れて二の句をつげないでいたが、やがて可笑しくなって笑い出した。
「何が可笑しいんだ」 「あ、ゴメン…そう、プリン、好きなんだ。じゃあお言葉に甘えて、俺も同じのを、もらっていいかな」 「わかった。すみません、やっぱり三つ下さい」
手塚は店員に言って箱をわけてもらい、その片方を乾に手渡した。
「ありがと、手塚」 「礼を言うのは俺の方だ、乾。助かった。ありがとう」 「役にたったなら良かったよ。…そうだ手塚」 「なんだ」 「このお礼にさ、来年は、俺が手塚にあげようか」 「…俺は、プリンはあまり食べない」 「そうか。じゃあ、すあまにしようか?」
お前は何を言っているんだとばかりに手塚は眉を少しひそめたが、やがてその長い睫を伏せて、少し笑った。
「すあまも食べないが…それじゃあ乾、またな」 「ああ。また、高等部でね」
歩き去る手塚の後ろ姿を見送った後も、乾は少しその場に留まっていた。 手塚に渡された箱は、長身の乾には不釣り合いに小さい。端から見ればかなりちぐはぐで笑いを誘う姿だろうな、と乾は思った。 手塚はテニス以外の部分は大抵不器用だし、言葉もあまり多くはない。素っ気無くて控えめなこの白い小さな紙箱は、まるでそんな手塚の気持ちを代弁しているかのようだ。
「来年、か…」
誰に言うともなく呟き、軽く眼鏡のフレームを指で押し上げた。 来年の今頃は、もう、
「手塚は日本にはいないかもしれないけど…ね」
小さな箱を不器用な手つきで抱えながら、乾は家までゆっくり歩いて帰った。
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まだ続く。でも、次で終わるので。
一昨日のタイトルでフトミミは真田と書いたけど撤回する。 フトミミは橘。絶対橘。 そしてマネカタ軍団は不動峰の2年生たち。 みんなフトミミさんが大好きだよ! 拷問されながら、フトミミさんを助けてえ〜って魔人テヅカクニミツに泣きつくんだ。
hidali
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