テキスト倉庫
DiaryINDEXpastwill


2003年01月24日(金) 2.ことばではとどかない続き

「お、越前来たな!こっちこいよ、写真撮ってやるから」
 テニスコートには、すでにテニス部員達が大勢集まっており、三年生と下級生とが話し込んだり写真をとったりして騒いでいた。
「別にいいっすよ、写真なんて」
「お前、ホントに可愛げがねえなー、いいじゃねえかホラ!」
「おチビ、俺と一緒にとろー!」
「えー…」
「えー、じゃないの、先輩命令!」
 菊丸は特に気分を害した様子もなく、リョーマの首に腕をまわし、もう片方の手で拳を作ってこめかみをぐりぐりと押した。そのまま桃城のカメラに笑顔を作り、ふざけあったまま、何枚か写真を撮った。
「そういえば、部…手塚先輩は?」
「部長か?それが、まだ来てないんだよな」
「桃、今の部長は君でしょ」
「あ、あー、そうなんすけど、ついクセで」
 照れくさそうに頭を掻く桃城の様子に、どっと笑い声がおこった。代替わりして、桃城が部長になってから、部の雰囲気は少し変わった。テニスに対する厳しい姿勢は変わりないが、それでも手塚が部長だった頃とは明らかにカラーが違う。当初はそれをよしとする者、違和感を感じる者と様々だったが、半年が経った今では、そんな空気も払拭されている。
 桃城と、彼を取り巻く部員の様子を穏やかな笑顔で眺めていた不二が、笑いを含んだ声で、やんわりと言った。
「手塚は、ちょっと来るのに時間かかると思うよ」
「何でっすか?あ、生徒会の関係で?」
「バカ、違うよーん。ホラ、卒業式のお約束!」
「ああ…。でもそれなら不二先輩だって」
「桃〜、なんでそこで不二なんだよ!俺は?ん?」
「いててて、エージ先輩、やめて下さいよ〜」
 菊丸と桃城がじゃれあう風景も久しぶりで、また周囲から笑い声がおこる。
「不二は、普段から平均的に告白されてるから、あえて今日って事はないんじゃないの」
「平均的って、何それ。複雑だなあ」
「手塚って隠れファンが多そうだもんなー。乾、そういうデータはないの?」
「三年間のバレンタインのプレゼント集計結果ならあるけど。聞きたい?」
「そんなのあるんだ…」
「聞きたいような、聞きたくないような…」
 その時、コートの入り口に、手塚の長身が現われた。
「すまん、遅くなった」
「あ、噂をすれば」
「手塚!やっと来たな!」
「最後のオシゴト、おっ疲れさーん!」
 明るい笑い声に迎えられて、手塚がテニスコートへ入ってきた。
 全国大会のレギュラー達を先頭に、部員達が手塚のまわりに集まってゆく。
 リョーマだけは、その場を動かずに、ただ手塚の方をじっと見つめた。
 ふと、部員達のすきまから手塚がこちらを見て、目があった。
 リョーマは視線をそらさず、手塚は、

 手塚の顔は、なぜかひどく不安そうに見えた。


----------------------------
まだまだ終わらないな…これ…
いっそまとめて本にしよっかな…(いつの事やら)
でも、まただらだらと長いだけでえっちのひとつもない
冗長な話になりそうな予…感…(沈没)


hidali