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| 2003年01月21日(火) |
2.ことばではとどかない |
思わず欠伸をしそうになって、リョーマはなんとかそれを飲み込んだ。一体この無闇に厳かな式は誰が最初に考案したのかと思う。学園長の言葉も、生徒の挨拶も、難解で何を言っているのかまるでわからなくて、どこか別の国の言葉のようだ。歌も単調なメロディの物ばかりで、リョーマの意識は半分眠っていた。 「在校生送辞」 ソウジって何? 続く生徒の声はやはり単調で、まるで意味が解らない。こんな言葉を送って、何になるって言うんだろう。リョーマの意識は、もう四半分ほど、眠りに傾きかけた。 「続いて、卒業生答辞」 数十秒後に響いた声が、その意識を一気に引き戻した。 久しぶりに見る壇上の手塚は、リョーマの記憶の中にある姿と寸分違わぬ形状でもって、そこに居た。やはり何を言っているのか内容はさっぱり解らなかったが、その声だけが直接頭の中に響いて来る。 静止した儀式の中で、その声だけが、動き、生きている。 声が止み、拍手が沸き起こって手塚の姿は壇上から消え、リョーマの意識は今度こそ完全に、眠りに落ちた。
「お、越前来たな!こっちこいよ、写真撮ってやるから」 テニスコートには、すでにテニス部員達が大勢集まっており、三年生と下級生とが話し込んだり写真をとったりして騒いでいた。 「別にいいっすよ、写真なんて」 「お前、ホントに可愛げがねえなー、いいじゃねえかホラ!」 「おチビ、俺と一緒にとろー!」 「えー…」 「えー、じゃないの、先輩命令!」
hidali
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