水曜からタイに行くのです。
今回はどんな旅になるのでしょう?
とにかくここではないどこかに行きたいんです。
それだけだからね。






 そんなことは望んでいないと、こんなにもはっきりと思う。

「可愛くて可愛くて、可哀想なお前は」


 慈悲深い笑みを湛えたその口元に、どうしようもない悪寒が走る。
 それでも伸べられた手を取ってしまった。

「お前は、私のものだろう?」


 重ねた指の、その熱に怯え。
 掴まれた指先の緩やかな拘束に怯え。
 軽く引かれたそれだけで、ふらりと前に動く足が疎ましくて。
 力なく薄く開いた口から漏れそうになる息をせめて押し留めた。

 熱に霞んで歪曲した視界が不思議でならなかった。

 助けを求めて呼べる名も持たないのに。
 救いなんかないのは知ってるのに。
 涙を流すのは、なんでだろう?



2005年02月07日(月)

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