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不貞腐れて眠る。幼い頃と何一つ変わらない。己を慰める行為も今は何の役にも立たない。否、元々そんな行為が役に立たないって分かっている。 苦しいんだ。寂しいんだ。縋りついてしまいたくて、抱きしめられてめちゃくちゃにされたい。壊して欲しいんだ。 弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い。画面いっぱいに繰り返しても追いつかない。
二十歳になる。もうすぐだ。古くは正月に一つ歳を数えたと云う。ならば己はもう二十歳なのだろう。そもそも十九二十歳の差など様々な法的なもの行政的なものの差に過ぎないように思う。実際は求められていることも、求めるものもすぐに変わるわけではない。 二十歳になる。すぐにも。早く年齢に見合うだけの大人になりたい。[誰か]に縋りたくならないように、求めたくならないように。抑圧が何だというのだろう。今まで大丈夫だった。孤独を感じても寂しくても生きてこられた。大丈夫、今だって大丈夫だから。
さあ 何処に行こうか。 恐ろしく自由な筈だ。
そう、恐ろしく自由な筈だ。恐ろしいほど自由な筈なんだ。何処へだって行ける。何処へだって行ける筈なんだ。 でも何処へも行けない。 何故なら枷があるから。この足に、この手に枷がはめられているから。鎖で繋がれて己をこの場所から放さない。 誰が枷をはめるのか。誰が鎖で繋ぐのか。誰がこの手を放さないのか。 己だ。己自身。何処へも行けないのではなく、何処へも行かないだけなのだ。 枷を欲しているのは己自身。鎖で繋がれたいのは己。誰かの手を握って放さないのは己だ。無意識の意識で己は欲している。 枷が欲しい。己を縛り付けて放さないものが欲しい。鎖で繋がれて、目隠しをされて、何も見えない、貴方だけいればいい。そう望んでいるから己は何処へも行けない。何処へも行かない。 檻の中。その格子の隙間から手を差し伸べてくれる人を待っている。泣きながらその手を求めている。
馬鹿馬鹿しい。御伽噺の女たちのように何もしないで手に入る幸福を待つ愚かな人間。
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