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| 2002年07月28日(日) |
欲すること、諦めること |
どんなことをしても手に入れたいものがあるだろうか。貴方にとっての何よりも大切なものが、手に入れたくてならないものがあるだろうか。 貴方は一度諦めた。でもそれは本当は諦めたふりでしかなくて、本当は未練だらけで仕方がない。だから忘れようとしても忘れられなくて苦しくて、淋しくて、痛くて、悲しい。 それは諦めてしまったから。自分の心の赴くままに求めようとしなかったから。身も世もなく取り縋って泣き喚いて、子供のように欲しなかったから。 心も体もきっと唯一つを求めている。取り縋って泣き喚いてみっともなくても、それでも手に入れなければならないものが人生には一つくらい存在したっていい。きっとそれが何か生きているうちには判らないから、欲しいものは必死で求めなくてはいけない。
己は諦めている。真実は逃げている。求めることが怖い。どんなことをしても諦めなくてはならないと思っている。愛だとか、恋だとか、そういうものが己にとってどれほどに有害か十分に解っているから。不要だと嘯きながら、奥底で求めている。寂しさゆえに、幼さゆえに、弱さゆえに、求めることを抑えられない。
逃げている己は本当は何も云えない。必死で生きている貴方に何も云えない。でも、それでも、貴方を必要としている人間がここにもいるということを伝えたくて堪らない。そう云うことで己のことを認めてほしいだけなのかもしれないと思うから、言葉には出せない。それでも、逢ったこともない遠い貴方、幸福になってほしいと願わずにはいられない。
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