ジンジャーエール湖畔・於
目次


2007年07月10日(火) Bread hot from the oven










もっと本や音楽 たくさんのものをしりたいし

pizzaを焼いたり ピアノ弾いたり 散歩だってしたいのに

時間がぜんぜん足りないん




世界にたいしてこんなにも興味しんしんなのに

いつも眠ってしまう





あなたをもっと知りたいのに

どうしても眠ってしまう





待ち合わせには行けないかもしれない

一週間以上の未来の約束をするのが苦手





だってウィークデイ

あたしの時間は仕事が終わってからの夜の短い時間しかないんです!

お風呂に入るだけでせいいっぱい

そのうえ宿題があったりする日なんていわんやをや

なんたってまぁシンドバット

魂はさまよい歩きを求めているのに身体は休息を欲している

なんとなんと不自由な

肉体と心とは!



around the world

わたしが寝てるうちに

どんどん景色が変わっていってしまう

around the world

わたしが寝てるうちに

起きたら湖に浮かぶ寝台






こんな気持ちみんないったいどうしているんだろうか



人の日記(WWWの)みてるとみんなちゃんと起きて

眠気にめげず頭フル回転で活動しているように思えてあせることしきり

おなじ24時間の理のなかにいながら、どうしてこんなに多くの本を読むことができるのか

その記憶を細部まで頭にとどめておけるのか不思議でならない

どうしてこんなに何かについて多くを思い、考察し、

それを文字でつづって気持ちを整理することができているのか



なんでもいい

たくさんの音楽や本 

人の動きや熱量と振動

あまりに真剣でまじりけなしの物事や出来事たちに出会うと

とぐろをまいて強烈に迫りくるハリケーンのように世界があたしの前に現れてくる気がして

まるで求愛されてるようにかんじてしまう

あたしはその思いにおなじ必死さで応えようとして

この世界をもっともっと知ろうとするので

そっと彼の手をとるように 

ページをめくる





この世界が人間の男ならたぶん水色のアロハシャツ着てる気がする




美しいアロハシャツきたその男は

胸元のポケットから満月を盗んできたようにまん丸の

焼きたての熱々のあんパンを差し出す

両手でうけとりそっと半分にわってみると

中からはルビーのようなつぶあんがツヤツヤと光を放ち湯気をたててる

はじめて出会うもののようにあんパンを食べる

興奮でうまいのかまずいのか

まったくわからない

男の手

男の眉

男の口元

男の胸

男の血液

男の背中

男の足



確かめるような気持ちであんパンを食べる

前歯が茶色い皮をそっとつきやぶると

ふんわりとざらついた甘みのあんが口の中にひろがってゆく

胸がいっぱいで

うれしいのかかなしいのか

まったくわからない

アロハシャツの男は新しいパンをつぎつぎと目の前に差し出す



男の目

男の髪の毛

男の喉

男の肺

男の舌

男の耳



あんパンや、クリームパン、メロンパン、ジャムパン、

チョココロネ、焼きそばパン、バターロール、デニッシュ、

姿を変えて食べられるべきパンはつぎつぎと目の前に差し出されてゆく




そんなにたくさんのパンを食べることも

その色や感触のひとつひとつを味わいつくし記憶にとどめておくことは

あたしには不可能かもしれない

あたしは絶望の色がうっすらにじんでゆくのを頭の隅で感じはじめる


















While I always sleep, the bread continues being baked

(いつもわたしが眠っているうちにパンは焼かれつづけている)







あなたのすべてを知ることが不可能ならば

一切を拒否してしまいたい











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今朝起きたらケータイをにぎりしめていて

画面はメール作成の途中のままだった


cottonkyaori |MAIL