ジンジャーエール湖畔・於
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昨日いなくなったプー(茶色、オス、10歳)
夜にはどこからともなく帰ってきたそう
可愛ネコは連れてかれるっていうから心配した
それか
わたしがいないからって探しにでて
富士山の見える新居から東京へと彷徨しているかと思ってた
透明高速から「東京・霞ヶ関行き」の高速バスの荷物置き場に身をひそめて
乗客の鞄の間に小さな身体をうずめてさー
もしプーが今日みたいなつめたい雨の日に
マンションの玄関で待ってたら
うれしくて
プー抱き上げてバンドネオンよろしく演奏したな、きっと
あ、知ってる?
ネコって楽器なんだよ。盤度熱音(バンドネオン)だよ。
喉から腋の下に右手をかけて、左手は両足を支える。
これが、基本の演奏姿勢。おーくぇい?
「ンニャー」とヤツがひとたびうなりをあげりゃ
わたしは喉をつまんでビブラートかける
そして肋骨。
特に痩せ形のトラ猫が理想。
ここは蛇腹になってるから空気を調節できるんだ。
この喉と蛇腹の肋骨で、うーんそうね、テルミンみたいな不思議な音がだせるんだから まったく猫ってばファンタスティック!
「ほ・ら・忍び足・で・よ・って・くる」
あっちかな?いや、こっちかな?
真夜中のかくれんぼ 長い影がやってくる
一寸戯けたふりして闇の中スタッカートを刻む猫
夜の手品でバンドネオンを弾けば
ピンクパンサーがバイオリンの上で飛ぶ
月のナイフでバンドネオンを刻め
スター気取りでコントラバス踏んずけ
一寸寝惚けたふりして屋根の上で茶色猫を抱けば
たちまち真昼のやうな星空のバクハツ!
目も眩むような不思議さ
夜の灯りがみんな消えても きみの瞳は銀の星よ
綺羅綺羅ヒカル茶色猫ノ目
嗚呼、夜はいつも君のものさ
ただし
夜 、夜 、夜 、 、 、 夜 の あ い だ だ け 、 、 、
(『バンドネオンの豹(ぢゃがー)』を歌いながら)
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