2017年10月18日(水) |
ケルテスのシューベルト交響曲全集 |
図書館から「シューベルト交響曲全集」を借りてきました。以前から聞きたかったCDなのです。イシュトヴァン・ケルテス指揮のウィーンフィル演奏のものです。メモとして各曲の情報を記載しておきます。
第一番 ニ長調 D.82 1813年シューベルト16歳のときにウィーンで作曲されました。シューベルトがウィーンの神学校にいた頃の作品で、ウィーン楽友協会に残されている自筆譜にはあまり苦心の跡が残されておらずスラスラと作曲されたようです。
第二番 変ロ長調 D.125 1815年17歳で作曲。シューベルトが神学校を卒業し兵役を免れるために師範学校に通い父の代理教員になった時期の作品。同じ時期には「糸を紡ぐグレートフェン」「魔王」「野ばら」など140曲の歌曲が作曲された。
第三番 ニ長調 D.200 1815年7月作曲。18歳の時に第二番に引き続き作曲された。一楽章の主題はその曲想・展開の仕方が「グレート」を彷彿とさせます。二楽章の主題はドイツ民謡の「マリアの子守歌」に似ているととのことです。
第四番 ハ短調 D.417「悲劇的」 1816年8月ウィーンで完成。「悲劇的」という愛称は作曲者によって後につけられたということです。シューベルトの初期交響曲(古典的手法により作曲)の最後の曲と位置づけられるようです。
第五番 変ロ長調 D.485 1816年10月に完成。クラリネット、トランペット、ティンパニを用いない室内交響曲的な性格だが、愛らしく美しい曲。ハイドン・モーツアルト的であるがシューベルトの旋律の美しさが全面に出ている。
第六番 ハ長調 D.589 「小さなハ長調」 1818年2月完成(シューベルト21歳)。五番とは異なりベートーベン的な交響曲。同じハ長調の「グレート」に雰囲気(転調・クラリネットの使い方等)がにていることから「小ハ長調」と呼ばれる。再びフル編成オーケストラの曲となっている。
第八番 ロ短調 D.759 「未完成」 1822年10月作曲開始(シューベルト25歳)。シューベルト没後45年経ってから友人の家から発見(1・2楽章)されたとのこと。この交響曲が3楽章のスケッチ(9小節の総譜とピアノ譜)が残されている。
第九番 ハ長調 D.944 「グレート」 1826年作曲(シューベルト29歳)。シューマンがシューベルトの兄の家に残されたシューベルトの遺品の中から発見したとのこと。1827年3月にはシューベルトが尊敬していたベートーベンが亡くなり(56歳)シューベルトは葬儀に参列した。シューベルトは翌1828年11月に亡くなってしまう。
指揮者のケルテスは1973年に水難事故により43歳で亡くなってしまいました。この曲集の録音の記録も付記しておきます。 交響曲8・9番:1963年10月〜11月(ケルテス34歳) 交響曲4・5番:1970年4月(ケルテス41歳) 交響曲1,2,3,6番:1971年10月(ケルテス42歳)
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