| 2004年09月26日(日) |
シッディ・ヴィナーヤク |
妻の日記はパソコンのことばかり、私の日記はヒンズー教のことばかりで、物理的にも、興味の点でも全く接点のない夫婦ですが・・・。
今日も引き続き同じ話題です。土曜日も出勤してゆっくり出来なかったので、今日はのんびりしようと決めていたのですが、午後に延ばしてもらった部屋の掃除で係りの人がせかすものですから、ムンバイのガネーシュ祭りの中心地の「シッディ・ビナーヤク寺院」に行くことにしました。実は先週の日曜日も行ったのですが、参拝人が多すぎて近くまで行くのを断念したのでした。今朝知り合いの日本人から、Rs50出せば列に並ばずに横から入ることができるという情報をもらっていたのでした。
ホテルからタクシーを飛ばしてRs120程度。すこし遠いのです。この寺はガネーシュを祭るヒンズー寺院なのですが、寺といっても街角のビルなのです。現代様式のヒンズー寺院と呼ぶに相応しいです。南インドのドラビダ様式とか、ヒンズー寺院にも地域・時代によって形式がありますが、経済の中心のムンバイに新しく建てられた「寺院」としては、まさしく現代様式を採ったということでしょう。
さて、今日はRs50払って、堂々と近くまで入ってガネーシュ神を参拝してきました。今日も一般参拝客の列はかなり長く続いていました。折角なので「シッディー・ビナーヤク」タイプのガネーシュ像を購入してきました。「シッディ・ビナーヤク」像の鼻は、普通のガネーシュ象とは反対方向に曲がっているのです。
時間があったので、帰り道の途中にあるイスラム寺院の「ハジ・アリ」によって見ました。ヒンズー寺院には既に何の違和感もなく入れるのですが、イスラム寺院はそれほど経験がないので少々心構えが必要なのです。というのも偶像崇拝禁止ですから、寺院の中は基本的には何もないはずなのです。で何を見に行くのか・・・。
でも強烈な印象でした。「ハジ・アリ」は海の中の島みたいになっていて、そこまで細いコーズウェイを通っていきます。遠くから見ると多くの人が歩いていてきれいなのですが、実際通ってみると結構辛い思いをします。この狭いコーズウェイの参道には、ぎっしりと身体障害者とか、そうでない単に貧しい人とかが腰を降ろしていて声をかけて来るのです。
最近、インドの人口調査の宗教人口の件が新聞で問題になりました。問題というのは「イスラム教徒」人口の伸びが著しく統計が正確なのかどうかということと、「イスラム教徒」人口の増加を認めるとしても、その原因として「イスラム教が人工中絶を認めていないからだ」とか、イスラム教徒の貧困が問題なのだとかいうものでした。
ヒンズー教の身分制度の呪縛から逃れようと「イスラム教」に改宗する人々がいたし、現在もいるようですが、それらの人は基本的に貧しい人なのです。貧しくとも神が救ってくれる方が幸せなのでしょう。仏陀が新しい教えを考えたのも、実はヒンズー教の最下層の人達を救うためだったという説があります。仏陀が歩いた昔のインドと今私が見ているインドに大きな差はないように思えます。貧しい人達はずっと貧しいままのようです。
ヒンズー寺院「シッディ・ビナーヤク」では、インドの人達の意欲を強烈に感ずることができました。そして、ヒンズー寺院「ハジ・アリ」では頑張っても上手くいかない人達、元々ハンディを背負った人達の呻きが聞こえ慰めあう姿をみるような気がしました。重いです。(もっと良く知ると多分考え方は変わるでしょうが。)
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