私が参加させてもらっているSOS(シンフォニーオーケストラスリランカ)はスリランカ唯一の常設オーケストラです。大学にも高校にもブラスバンドはありますがオーケストラはありません。
SOSでも弦楽器・木管(オーボエを除く)はSOSのメンバーですが、金管楽器・オーボエなどは陸軍軍楽隊から応援で成り立っているのです。ですからこのエキストラ代を支払って演奏会をするのは結構大変なのだそうです。
弦楽器パートについていうとほとんど師弟関係者で占められています。小さい頃からレッスンに通えること。ある程度の楽器を買える事は、実は相当裕福な人達で構成されていることが想像できます。西洋音楽を実際に楽しむ環境はそう簡単には広がりません。私の宿舎の近くにヤマハ音楽教室があってピアノを教えていますが。
今回のSOSの演奏会はチャイコフスキー五番の交響曲がメインです。有名な曲で覚えやすいメロディで聞き栄えがするので、外の地域、例えばキャンディとかゴールでも演奏会を開けばいいのにと思いました。しかし「お金が無くてとてもそんなことできない」といわれました。エキストラ代と旅費が工面できないのです。
少し滞在したことのあるベトナムのハノイ市には、立派なオーケストラがありました。CDも録音しています。ハノイ市にはオペラハウスがあり、音楽学校があって、西洋音楽とベトナム民族音楽両方のプロ奏者を養成しています。
ベトナムのハノイ交響楽団の来日演奏会を聞いたことがあります。曲目は同じ「チャイコフスキー交響曲第五番」でした。ニ楽章のホルンソロが大変上手だったことを覚えています。SOSが体制を整えてスリランカの多くの人に音楽聞いてもらえるような時代が早く来るよう願っています。
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