イラクの戦争が終わって大分経ちましたが、相変わらずテロは収まらず、民主的な政権樹立の道のりも遠いようです。インドネシアでは「イスラム国家建設」の名目のもと大規模なテロがありました。北朝鮮に民主的な政治体制を導入するなんて出来るのかしら。
欧米的な民主主義社会を樹立するには長い道のりが必要なのだなとつくづく実感しています。アメリカだって独立戦争、南北戦争といった大きな戦争を経て民主主義が確立されたのです。日本には敗戦・原爆といった途方もない犠牲が必要だったのです。さらに、日本の場合には、急進的な連動国の占領政策と国民が敬愛する「天皇制の存続」といった美味い組み合わせもあったと思います。
今、イラクに民主的な選挙制度とか三権分立とかいってもとても無理な状態です。それならどうするか。難しい問題です。比較的な穏健なイスラム指導者が暗殺されてしまってはアメリカも辛いです。何でも一瞬にぶち壊してしまう「テロ」が普通の行われるほど荒廃しきっているのです。
と、こんな事を考えるのは、我社(スリランカの電話会社)に、世界最新式の料金システムを導入するプロジェクトが今最終段階に入っているからです。欧米では当たり前「ロジック」「ワークフロー」がそのままスリランカの現状に当てはまる訳がありません。ここで混乱が生じます。その混乱を最小限に食い止めなくてはなりません。問題なのはシステムは融通が効かないということです。
明治政府が近代化政策を推進できたひとつの背景には、江戸時代末期の幕府の近代化政策、勝海舟に代表される若手幕府官僚が非常に優秀だったことがあげられます。自らの内部に矛盾がどんどん蓄積されていくと、革命は容易だし、革命後の新時代建設はスムーズに進みます。
他人任せの革命は、新時代建設に多く時間がかかると共に、反動で元に戻ってしまう可能性さえありえます。
|