今夜、レディースカレッジ講堂でSOS(シンフォニーオーケストラ・オブ・スリランカ)の特別演奏会がありました。イギリスから「ジェームズ・ロス」さんという指揮者を迎えて、ベートーベン交響曲7番をメインに据えたコンサートです。SOSは名前の通りたまに難しい部分で「SOS」を発しますが、全体としては音楽大好き集団で、この国の雰囲気そのものでほのぼのとした明るさをもっているのです。前にも書きましたが、金管楽器は綺麗な和音を提供することに徹して決して目立ちません。SOSはあくまでアマチュアです。
前半の曲目は「アンダンテカンタビレ、ペールギュントから三曲、」弦楽器中心の曲を選んだのが正解でした。細かいところまで配慮が行き届いた丁寧な演奏ですばらしかったです。さて、メインのベートーベンですが、「ジェームス・ロスさん」の指揮は結構テンポが速く颯爽としています。1972年生まれの若い指揮者ですから当然と言えば当然です。ローカルの指揮者が結構巨匠風に振るので「テンポ」が重くなるのですが、今日は軽快な音楽が聴けました。7番なのでどうなるか心配だったのです。ただ交響曲では木管楽器がキーになるので「SOS」を発するところが各所にあるのはつらいところでした。三楽章の中間部トランペットも和音を綺麗に聞かせていました。上の音が聞こえない(吹いていない)くらい丁寧に扱っていました。
7時30分ごろから雷が鳴り始め雨が降り出しました。会場の係りの人があわてて窓を閉めることになりました。客席に雨が降り込むのです。この会場はエアコンがないので聴衆も暑くて大変ですが演奏者はもっと大変なようです。
コンサートから帰る途中、ビクトリア公園近くを通った時、何頭かの着飾った象に出会いました。そう、明日16日は2月の満月(ポヤ)にあたり、今日・明日とコロンボのガンガラーマヤ寺院を中心にペラハラが行われるのです。今日は雨のため途中で中止になったようです。ビクトリア公園には全国から70頭もの像が集められ、ペラハラに備えています。ビクトリア公園が象の「サファリ」みたいになっています。
(追記) イギリスから招かれた「ジェームス・ロス」さんのコンサートは1日だけでした。コロンボの音楽愛好家だけでは、有名な海外演奏家を招くことは不可能です、多分このプロフラムもイギリス政府などの支援の下に行われているはずです。この状況を見るとき、日本の果せる役割の可能性をつくづく感じます。日本の音楽大学では毎年数多くの音楽家を世に送り出しています。その中のほんの少しの人が政府とかけあって、発展途上国に音楽支援プログラムを提供できたらいいなと思います。ベトナムのハノイ交響楽団はスイス政府の支援を受けていました。昔経済援助を少し勉強しました。緊急援助とかインフラ整備が第一だということは良くわかるのですが、音楽とか美術の類の文化は、どんなに生活が貧しい状況においても人の心を豊かにしてくれるもので大切なものだと思います。物質的(特に金)なものだけの援助をそろそろ卒業する時期だと思います。
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