| 2005年05月30日(月) |
読書「天使の代理人」 |
山田宗樹 幻冬舎 2004年
新聞の広告欄にあらすじなどが載っていて、そのころから少し気になっていて、パラパラめくったら もう読むしかないと思った。そして読みはじめたら久々に夜更かししてしまった。 妊娠と中絶をとりまく問題をフィクションなのに、とてもリアルに描き出している。 妊娠と中絶がメインだけど、妊娠に関わらずこの世に生まれた人はいないのだから全ての人に関わる事に違いない。
この小説の中には、あらゆる立場の人が出てくる。堕胎する医師。子どもを産むのを手伝うだけの産婆さん。 望んで妊娠したのに手違いで中絶させられた女性、望まぬ妊娠をして、アッサリ中絶する女性。中絶を悩む女性。 優秀な子どもを妊娠するために精子バンクによって妊娠したものの、男の子でないために中絶しようとする女性。 それぞれバラバラだった人生が交錯して、ラストまで一気に読んでしまいました。 何が正しいとか、当たり前とかいろんな立場にたって考えてしまいます。
私は子どものころから大人向けの本を読んでいたせいか、割りと早熟だったので、どうしたら子どもができるのか早くに知っていた。 そのせいか、子どもが出来たら恐ろしいので、そういうことはなるべくしたくないと思ってた。 何故恐ろしいかというと、産み育てられる環境や状態じゃないのに子どもを産むということがまず怖い。 リスク大きすぎ。そんなので妊娠してしまったら、中絶ということになるのだろうけど、 それ自体がまた恐ろしいイメージ。そのイメージはこの本で確信に変わる。
とにかく子どもが出来る前の行為に好奇心とかないわけじゃないけど、一時の欲求に負けて 、恐ろしい目に遭いたくないなと思っていた。リスク管理の問題?天秤にかけたら安全重視でしょう。 だから、この小説でも書かれているように、若年層の中絶とか性感染症が増えていると見聞きすると なんと無用心で、自分を大切にしない、頭の悪いことなのかと呆然とする。 もっときちんと教育した方がいいと思う。知らないことは防ぎ様がないでしょう。 大人になってからは一応、勉強しましたよ。誰も教えてくれないけど、探せば本はいくらでもあるし 基礎体温を計るための表にもいろいろ載っていました。 小説の中の学生の女の子が避妊失敗している話しなんて、初歩の初歩だけど、やはり知らない人が多いのかな。
この本も中絶すると言う事、赤ちゃんを産み育てるということなどわかってよいと思います。 そして考え方の違いの描き方や偽善、独善の違いが書かれているのも良い点だと思います。
それにしても、相変わらず毎日毎日子ども虐待して殺している親が紙面に載ります。 産まれる前になかったことにもしているし、現代は本当に子どもに受難な時代の頂点かもしれない。 そして同時に子どもが欲しくて、本当に大変な努力をしている人もいる。おかしな世の中だと思う。
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