| 2004年10月28日(木) |
読書「生きにくい子どもたち」 |
「生きにくい子どもたちーカウンセリング日誌」岩宮恵子 岩波書店
先日の日記にもチラリと書きましたが、とても興味深く、また字も大きく読みやすいのであっという間に読んでしまいました。
昨日の日記でも触れていたことですけど、どうして現代はこんなに子どもを育てにくいのでしょう。 どうして子どもは育つのに課題が多いのでしょう。
私の年の離れた従兄弟や友人の子どもたちなど身近な人達は、特別なケアが必要な状況とか困った話しなど 聞かないから、テレビ、ニュース、本などで知る子どもたちの緊急事態は、特別なのかもしれないけど。 現代になって、情報が発達し、女性や子どもの人権も尊重されるようになったから 子どもたちをとりまく不幸な事件がクローズアップされているだけなのかもしれない。 そんな風に差し引いて考えても、やはり異常な事件が目立つと思ってしまう。
この本では「手のかからないいい子」がある日、理解しがたい異常を訴えることになった事例が紹介されている。 ずっと手がかからない、親、大人たちから理想的な、期待も大きい子ども。またもやこれかという気もしないでもない。 「手間のかからない子ほど、気をつけないといけないよ」と有名な童話でも同様な書かれているとか。
余談ですが 占い的な見方をしても、それは的を得ているかもしれません。 人生は鯛一匹分。先に頭を食べてしまうと、残るのは尻尾だけなのだという。 良い時期、悪い時期というのは(その良い悪いが人によって価値も、内容もそれぞれなのですが) 平等に与えられているので、幼い頃、少年時代に最高の幸運期を済ませてしまうとあとはそうでもない、ということが起きるのです。
運がいいだけで、順風満帆といかないのが人生ですが、比較的子どもの頃というのは 親の社会的地位、経済力で左右されるし、勉強・運動も身体の発達が早い子がトクですから 運だけでなんとかなってしまう人もいないとはいえません。 そして大人になったときに、運だけでやってきてしまった場合、努力なども身についていないから行き詰まる場合も起こり得るのです。 突然、物事がうまく回らなくなって、焦るのは本人です。 焦って不安になっているののに、周囲は今まで通りのことを期待し、ますます追い詰められてしまうでしょう。
だから、どうすればいいか、なんてのは個人個人の問題なので、どうしようもないのですが そんなわけで成長期に運が良い時期を送るってのは考え物だなあと思ってしまうのです。 人生は経験値、比較対象で微調整している気がしますから。
本の話しに戻りますが、カウンセリングの仕事の厳しさ、だからこそやりがいがあるという事がよく伝わる本です。 地図のない迷路に迷い込んでしまった子どもと手探りで、細い細い道をたどる危険な道中は 読んでいるこちらにも緊張感が伝わってくるし、カウンセラーの反省は自分のいつかの反省かもしれません。 やがて子どもたちがカウンセラーを必要としなくなる時を迎える。 その時の決して晴れ晴れとした感じではない、どこか寂しげな感じもよくわかりました。 子どもたちが、望むものを、親が間違いなく与えることが簡単だとは思いませんが それでも、現代は大人が自分で難しくしている気もします。 せめて子どもに、大人のように気を使わせる、ことをしなければいいのですが・・・ 当たり前のことが、見えなくなっている、大人が大人の余裕をもてない時代だからかもしれませんね。
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