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2004年02月05日(木) 瀬古さんについての考察

今年も渾身の力をこめて豆まきをしてみたるるです。こんばんは。
瀬古さんって言うのね、あの甘えん坊の同室の方は。
いえね、ワタクシ初めて病院に行った日、病室はもぬけのカラだったんですよね。
ゆみなのベッドは、さっきまでゆみなが寝ていたらしく
おふとんがグジャグジャになっていて、枕元には文庫本がやっぱりグチャッと伏せられていて
サイドボードっていうんですか、小さいロッカーの上にはアラジンの絵のついたマグカップがあったり
ティッシュやメガネケースやらテレビを見るためのカードやらが、やっぱりグジャグジャに置いてありました。
ワタクシはおもむろにベッドを触り、
「・・・・あったかい。ホシはまだ近くにいるぞ!」
といるはずもないジーパンに指示をとばしていたわけですが、
そこへ現われたのがロッキーでもボンでもない、ましてや渡辺フトルでもない瀬古さんだったんですね。
ところが瀬古さん、その時はまだ入院手続き直後だったのか普通のお洋服でしたし
ベッドもきれいになっていて、ボストンバッグが置かれていた状態だったので、
同室の患者さんなのか、そのご家族なのか、
いやいや、ひょっとしたらゆみなの関係の方なのか、
さっぱり見当がつかず、どうご挨拶したらよいものかわからなかったワタクシは
「お邪魔してます」とお声をかけてみました。
すると、瀬古さん
「はっ!あら!ゆみなさんかと思っちゃいました!
ゆみなさん、もうすぐ戻られると思いますよ。
いま、そこにいましたから」
と大変に愛想そくよく(添削・ゆみな)答えてくださいました。
でも、なんでワタクシとゆみなを見間違えるんだ。
それにウソいっちゃいけません。その時ゆみなは喫茶店にいたんですよ?
瀬古さんは弱虫で泣き虫で水虫でウジ虫の上にさらにホラ吹きだったんですね。

さすが弱虫だけあって、ワタクシと病室で二人になることが怖かったのか
そそくさと出かけてしまいました。
それで、一人ぽつんと残された私はドキドキしながらパンをムシャムシャ食べた、とこういう深いワキゲがあったんです。
その間、一度病室のドアが開く気配がしたので、ゆみなかと思ってカレーパンをくわえたままカーテンから顔を出すと、看護婦さんだったことがありましたが、そんなことで動じてるようではカレーパンなんて食べられません。
看護婦さんも全く気にせず、というか全く何もワタクシなど見てないというふうにツカツカと室内に入り、瀬古さんのベッドの上からなにやら用紙を回収し何事もなかったかのように去っていきました。
看護婦さんていうのは、なんというか本当に頼もしい感じですよね。

そうそう、初日に院内をウロウロと迷ってしまったワタクシは廊下を歩く若い看護婦さんに病棟への行き方を尋ねました。
すると、その若い看護婦さんは
「いま私も行くところだから途中まで一緒にいきましょうね」
と、とても親切に優しく教えてくれたのです。
きっと徘徊する痴呆老人を家まで送り届けるときもこんな感じなんだろうなと思ってしまうほどの包容力だったんです。
ワタクシ、すっかり感心してそのことを喫茶店でゆみなに話しました。
「看護婦さんっていうのは、優しくて親切で、若くてもしっかりしてて、すっかり頼っちゃったよ。」と。
ゆみなも、タバコの煙を鼻から出しながら
「弱気になってるからねぇ」と答えてましたけど、別にワタクシは弱気になってませんし。
弱気になってたら病室でカレーパン食いませんから。
どちらかと言うと強気ですし。
豆まきの後の豆を食べようと集まってきた鳩を捕まえるぐらい強気ですし。
ええ、鳩を捕まえたんですよ、野生の。
ロッキーか、ワタクシは。
いえ、正確にはうちのタッキーが捕まえましたの。
カゴを逆さにしてつっかい棒を立てて紐をつけて豆を撒いておいたら、
鳩が「どもども〜」みたいに首振りながらやってきて
紐を引いたら、鳩ゲットですよ。アンビリーバボーですよ。
その時の鳩の顔といったら、ほんとに鳩が豆鉄砲くらったような顔でしたよ。

以上のように、ほんとうに瀬古さんは良い人でした。
でも、瀬古さん以上にあのご主人は良い人だと思います。








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