ラのつく日記

もくじ


2012年05月31日(木) あの日のくちびるまだあたたかく、

昨日は大野一雄の映画を見てきました。追悼特集@ポレポレ東中野。
舞踏は積極的に好きではないので、消極的には怖いから、特に近寄らずにいるのですが、
なんとなくうっすらと関心はあって、そういうサブカルとかアングラめいたものってわかったような顔をしてみたくなるしさ!(俗物)
友だちに誘われたのでつい出かけてしまいました。
90年に撮影された「魂の風景」というやつ。
自然のなかで立って踊っているシーンが続くもの。
大野一雄が踊っているところ、初めて見ました。
ものすごく鬼気迫っていて、こわかった。生身の温度。
何かに浮かされたような言葉しか出てきませんが。
あの特異なメイク、とくに女装のときのあれは本当に、グロテスクとさえ言える。
黄色い毛糸のお下げは最たるもので、でも無性にかわいらしい。信じられないくらい。
あのメイク、表情がとにかく際立つんですね。
すごく優しい顔に見えたり、かなしげだったりする、それがよくわかる。
あの表情、あの表情で気持ちが動かされることがあるんだろうと思った。
ふいに泣き出したくなりましたもん、つられやすいから……。
それから手、姿勢のかしげ方。それは写真で見たときと変わらない衝撃。
終演後に息子さんの大野慶人の舞台があって、なんだろうと思ったら左手に大野一雄の人形(すごくリアル)(すごく可愛い)をつけて、舞台を周りながらその人形を踊らせたんです。
それが、恐ろしいような舞台だった。
映画中にも慶人さん出てるんだけど、大野さん本人と並ぶとやっぱりなにか希薄で、必然性がわからなくて(すいません)、でもあの人形とのダンスは凄かった。
プレスリーのCan't help falling in love、甘い音にのって。
人形だけを見つめて踊る慶人さんの顔が壮絶すぎて、叫び出したくなりました。
いまだに恋のように苛烈な顔をして。
愛してるって怖い、置き去りにされる恐怖だ。
と思いました。

ポレポレ東中野の上のカフェでごはん食べようと思ったんだけどお米が切れてて、
泣く泣く適当なごはん屋さん(今思うとあれはイタリアンではないか)に入ったらすごくおいしかった!
うれしくなって、そういえばあみさんは近所だしこのお店知ってるかなって思って、
しばらくたってからやっと、もうとっくに引っ越したことを思い出した。
ダンスを見ると頭が混乱します。ひさびさにぐるぐるした。


★5月のメモ

歪笑小説/東野圭吾 隣の席の先輩にぜひ読むべきと言われたので。読んだことを忘れたい。
きよしこ/重松清 講演会へ行くぞーと思って、おすすめの1冊を。とても正しいことが書いてあった。
いつか響く足音/柴田よしき 読んだことを今にも忘れそうになる。
モノレールねこ/加納朋子 今がそのときだったーって血が燃えたわ。ラッキー。
硝子のハンマー/貴志祐介 あおとさんと榎本どうなんの?!っていう下世話な興味だったんだけど。ドラマの方が面白い。
リング/鈴木光司 貞子3D記念……、これ、らせんも読まなきゃ怖いままだよー
地図のない道/須賀敦子 絶対好きだってわかってた、つらい。少しずつ読もう。

漫画
なし

バレエ
なし

ジャニーズ
滝沢歌舞伎ファミリー公演 すっごく昔のことみたいだ
ジャニーズ銀座 ぬーんぼーいず回
ジャニーズ銀座 凱旋 ひかるくんのお誕生日

それ以外
重松清講演会
BBコン 
魂の風景

考えてたこと
母親がたまに、「あのときほんとはああだった」といって怒り出すんです。
我慢してたけど本心はああでこうで、って。
そんなのその瞬間に言ってよね、我慢してなんて頼んでなんだからさーと思うわけですが、
まさに自分もそうしてる、そう思ってるって気づいてがっかりした。
2つ、どうしても決定的にわからないって思ってることがあって、
私はそれが悲しかったんだけど、その瞬間には言えなかった。
その場の空気が悪くなるのはやだなーと思って。あさはかだった。
こんなに引きずって、もうわからないんだろうな、と思う前にできればよかったんだけどね。
できなかった。できなかったなー。
いまでもまだ言いたいだろうか。
それをなんとなく考えてる。


ハダシ |メール