
人物紹介 ☆ 「翼」−私。苦手なモノ → 恋愛 ☆
「T君」−友達のダンナの親友。 1歳年上。 私の事が好き?みたいです。 ☆
「H君」−出向先の人。元カレ。 6歳年下。 すごく好きだったけど、フラれた。 ☆
「 I さん」−同じ会社の元上司。 3歳年下。 好きだった人 ☆
「Nさん」−元元彼。 6歳年上。交際2年9ヶ月。 憎まれてます ☆
「Aさん」−10歳年上。 既婚者子持ち。 昔々の好きな人。 ☆
「あの人」−元元々彼。2歳年上。 1ヶ月でバッサリふられました。 私の通っていた大学の職員。 ☆
あなたには届かない
翼
MAIL
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| 2003年05月11日(日) ■ |
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| この恋が終わった日 4 |
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「あの人」に会うのは一週間ぶりだった。
今までと、何も変わらない風に私の部屋に現れた「あの人」。 まるで、全部夢だったんじゃないかって思えてくる。
なにげない話をする。 つい、一週間前みたいに笑い合う。
でも、同じじゃない。 どこかで感じている。 「あの人」は、話が途切れるのを怯えてるみたいに、 ひたすら話し続けている。 私も、話を切り出すタイミングを逃して、 ただひたすら笑ってる…。
このまますべて、うやむやにしてしまえそう。 そう思った。 このまま、何事もなかったみたいに、なににも気づかない振りして、 続けていけそう…。 そうも思った。
でも、それじゃダメだよね。 解ってるんだ。 もう、どうしようもないことがあるって事…。
1時間くらい話していると、「あの人」の携帯がなった。 友達かららしい。 携帯に出て、しばらく話している「あの人」。 そして、話し終わると、私に言った。
「ごめん。俺、そろそろ行くよ。」
“予定を空けてる”って言ったくせに、 結局こんな時にまで、私より友達を選ぶんだね…。 絶望感が、押し寄せてくる…。
「待ってよ。こんな話をするために会ったわけじゃないでしょ?」 私は、ついに切り出した。
「うん。」 そう言って黙り込む「あの人」。
「私ももう解ってるの。あの時は、ああ言ったけど、 もう、どうしようもない事があること。」
「うん。」
「もう、私は何も出来ないんだよね?」
「うん。」
「もう、戻れないんだよね?」
「うん。」
「そう。じゃあ、頑張ってね。その人と上手くいくように。」
「うん。」
私の、精一杯の強がりだった。 泣かなかったし、取り乱さなかった。
「あの人」は、結局最後まで、他人事みたいに冷静で、 “ごめん”とも、“悪かったね”とも言わなかった。
「じゃあ。」 それだけ言うと、「あの人」は、私の部屋のドアを開けて出て行った。
一気に涙が溢れてきた。 ベットに倒れこんで、大声をあげて泣いた。
かすかに、「あの人」のバイクが遠ざかっていく音が聞こえた。
「行かないで!!」 私は反射的にそう叫んでいた。
ものすごい速度で、後悔が湧き上がってくる。
私は携帯を手にとり「あの人」にメールを打っていた。
“行かないで。私とまだほんの少しでも続けていいと思うなら、帰ってきて”
さすがに自分でも未練がましいと思った。みっともないと思った。 でも…、そうせずにはいられなかった。
ずっとずっと祈り続けていた。
“私のところに帰ってきて。私を選んで”
外でバイクの音がするたびに期待して、通り過ぎるとがっかりして、 それの繰り返しをしてた。
“きっときっと、「あの人」は私のところに帰ってきてくれる” そう信じて、待ちつづけた…。
そうして私は、朝の7時まで待ち続けた。
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