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2004年06月12日(土)
ブック・カフェ Part12─ゲスト:黒原敏行氏

◆翻訳文学ブック・カフェ Part12─ゲスト:黒原敏行氏

新元良一さんが司会をつとめる、ジュンク堂のブック・カフェには行ったことがなかったのだが、今日のゲストは、今や大のお気に入りになったコーマック・マッカーシーの『すべての美しい馬』を訳した黒原敏行さんだったので、これはグッド・タイミング!と思って、初めて参加した(ちなみに青山先生がゲストの時は、開催を知らなかった)。新元さん自体、何年も前から知ってはいるものの、お会いするのは初めてで、「やっとお会いできましたね」という感じ。

黒原さんは、『すべての美しい馬』やフランゼンの『コレクションズ』などの訳書から想像していた人物とは全く違って、非常に謙虚で(いまだに学生みたいな感じ)、優しいイメージの人だった。現在ではなかなか入手できない『越境』の朗読も素晴らしかった。ミステリなどの翻訳も多く、「純文学の翻訳なんて、おこがましくて・・・」とおっしゃっていたが、ご本人がどう言おうと、『すべての美しい馬』は、名訳だと思う。あの分厚い『コレクションズ』を6ヶ月で訳したというのも、並じゃないだろう。

一番面白かった話は、マッカーシーを訳すときに、中上健次の『千年の愉楽』に文体が似ているのではないかと思って、それを筆写し、日本人の名前のところに、ジョン・グレイディなどの名前を入れて、感じを掴もうとしたという話。結局、中上健次とは全然違っていたとのことだが、フランゼンの『コレクショズ』も、大江健三郎の『個人的な体験』を用いて同じことをしてみたりと、日本語の小説としてどうかという感じを掴むために、そういったことをよくやるという話は、とても興味深かった。

これから訳したいと思っているものは、やはりマッカーシーの『Blood Meridian』(!)だというので(このときの言い方も謙虚で、「僕が訳したいというとおこがましいので、僕がというわけではなく、誰かが訳すべき作品」といったような言い方だった)、私も「原書を買ったはいいけれど、スペイン語が読めなくて・・・」と言ったら(まるで英語は全部理解しているような言い方だが)、素晴らしいサイトを教えてくださった。

マッカーシーの作品には、スペイン語がよく出てくるので、それを英訳しているところがあるのだという。そんな便利なものが、あれこれ探し回る必要もない、なんと、マッカーシーの公式サイトにあったのだ。

●コーマック・マッカーシーの公式サイト
http://www.cormacmccarthy.com/

ここから、Resources → Translations と開いていくと、見たい作品の中のスペイン語の英訳が見れる。これは便利!すごく親切だ。でもこれで、スペイン語が読めなくて・・・といういいわけが通用しなくなった。(^^;

おみやげは、黒原さんがマッカーシーに出した質問のコピー。そこにはマッカーシーの自筆の答えが載っている。つまり、コピーではあるけれど、マッカーシーの自筆原稿をもらったようなもので、遅まきながら「マッカーシー大好き!」な私には、宝物のようにも思えた。マッカーシーという人は、あまりマスコミにも登場しない人なので、これはマッカーシーの性格の一端が垣間見える、確かにお宝といえる貴重なものだと思う。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

となりのボーイフレンド BOOK PLUS/メグ・キャボット (著), Meg Cabot, 代田 亜香子
出版社/著者からの内容紹介
メールでみつける本当の恋!? ハッピーでキュートな恋愛メール小説登場!
コラムニストとして奮闘中のNYガール、メル。暴漢に教われた隣の老婦人の家に、遊び人で名高い甥がやって来た。それが意気投合して恋の予感!?でも実は彼は偽者の甥と判明……やっとみつけた恋はどうなるの?


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