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2003年12月10日(水)
ゴシック小説

◆この日記について

※新機能追加のためのメンテナンスがあります
2003/12/11(木)AM10:00から3時間ほど新機能追加のため全てのサービスを一時中断させて頂きます。この時間帯は書き込み、閲覧、日記帳の管理など全て出来なくなります、ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い致します。


『American Gothic Tales』/Joyce Carol Oates (編)

明日は後期最後の授業。使用するテキストのジョン・チーヴァーの「The Enormous Radio」は、このジョイス・キャロル・オーツ編集の本にも収録されている。チーヴァーの作品については明日の日記に書くこととして、この本についてちょっと触れたい。この本にはワシントン・アーヴィング、ホーソーン、ポー、メルヴィルなどの古典から、ジョイス・キャロル・オーツをはじめとして、レイ・ブラッドベリ、アン・ライス、スティーヴン・キングなどの現代の作家のものまでのゴシック小説が載っている。この人もゴシックを書くの?という作家のものも多い。例えば、E.B.ホワイトとか、レイモンド・カーヴァーとか・・・。チーヴァー以外はまだ読んでいないが、その意外性にへえ〜!と驚く本なのだ。

今日ゴシック本について書いたのは、今読書会で取り上げているエリザベス・ギャスケルも、ゴシック小説を書いているからだ。課題本の『女だけの町』は、割に優雅なタッチで書かれた、どこかほのぼのした雰囲気のある、世間話というか人情話といった感じの作品だが、実は『Gothic Tales』という本や、『悪夢の一夜』などという本も書いている作家で、それぞれの作品のイメージのギャップが大きい。だいたいギャスケルで検索すると、この『女だけの町(クランフォード)』をはじめとして、『Mary Barton』とか、『North and South』といったものしか出てこないし、それらの作品で有名なのだが、実はゴシック小説も書いていたのだ。こちらのほうを追求している人はあまりいないようで、全然話題にはならないのだけれど、ほのぼのとして可愛らしい話を書いている一方で、世にも恐ろしい話を書くというのが非常に興味深い。明暗や善悪といった、人間の二面性を見るような気がする。

これはギャスケルに限ったことではなくて、上にも書いたように、この作家もゴシック(ゴシックと言っても一概には説明できないが、ここでは「怖い話」というイメージ)を書いているの?と意外に思うことは、しょっちゅうあるのだけれど、ギャスケルの場合は、特に読んだ作品とのギャップが激しかったため、「へえ〜!度」が高い。『女だけの町』を読む前から、ゴシック小説を書いていることは知っていたので、意外性という意味では、むしろ『女だけの町』の雰囲気のほうが意外だったかもしれないが。ギャスケルという名前からして、ゴシックのほうが合っているような気がするし。(^^;

でも、ゴシック小説の場合、これは何を言いたいのか?と聞かれても困る。明日のチーヴァーの「The Enormous Radio」だって、なんだかわからないが、このラジオ不思議だなあ・・・とは思うが、作者は何を言いたいのか?と言われると、言葉につまる。どんな感想が聞けるのだろうかと楽しみだ。たぶんタイトルの「enormous」は、「巨大な, 莫大な, 極悪な」という字義通りの意味ではないんだろうなあ。。。どこかのアンソロジーでタイトルを見たときは、この「enormous」を訳さずに、ただ「ラジオ」になっていた。


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