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2001年11月19日(月)
シングルトンズ・ダイアリー/新・恋愛入門

タイトルにつけた《新・恋愛入門》。
そんなこと、おこがましくて私が書けるわけないです。
ジェーン・オースティンの『分別と多感』を読もうと思ったら、オビにそう書いてあった。
200年前の話なのに、《新・恋愛入門》とはこれいかに?

理性的で分別のある「理知」のエリナと、個性的で多感な「情熱」のマリアンという姉妹の物語。
「みどり豊かな19世紀英国の田園を舞台に愛と結婚の真実に迫る、必読の《新・恋愛入門》」だそうだ。

「いい結婚相手探し」がテーマらしい。
ぢ、ぢゃあ、今更読んでも遅いか・・・?
だけどニューズ・ウイークの書評には、「お行儀のいいのが新しい。人気の秘密は上品な社会への回帰願望」とあった。ふむふむ、なるほど。
まわりを見渡しても、あんまりお上品な人はいないなと思う今日この頃。オースティンの小説って、読んでいていい感じだし、妙に落ち着くんだよねえと思っていたら、そうか、上品な社会への回帰願望だったのね。<私って、いつ上品だったんだろう?

『自負と偏見』でも、ジェーンもエリザベスも非常に理性的に相手を選んでいたし、恋愛も結婚も、うわついた感情だけでしちゃいけないのね、なんて感じだった。

でも、今度の『分別と多感』では、「情熱」のマリアンが出てくるとなれば、そうそう理性的になってばかりもいられないだろうと、ちょっと楽しみ。

オースティン自身も、最後の作品『説得』では、「恋心は分別と良識によって抑えられるものなのか?」という疑問を投げかけている。やはり、全てが理性的にとはいかないようだ。

さて、私が買ったのは、キネマ旬報社版の『いつか晴れた日に─分別と多感─』で、翻訳は、以前にお目にかかったこともある真野明裕氏だ。真野さんには翻訳の基本的な心構えを教えられ、大変感謝しているので、あえてこの版を選んだというわけ。

その真野さんが、オースティンの英語は「すらすら流れるように読めるという文章ではない」と言っている。この間、紀伊国屋の洋書バーゲンで『マンスフィールド・パーク』の原書を買った私は「が、がーん!」だ。

たしかにオースティンの文章はややこしい。それでもぐいぐい引きつけて、一気に読ませてしまうのだから、すごい作家なのだろう。なんたって、「夏目漱石も激賞!」だもの。


そうそう!今日、H氏に電話をかけた。林隆三さんだ。
友人のツッチーが、日記に「H」という文字を入れると、なぜか秘密めいていいというから、丁度いいのでH氏としてみた。秘密めいてるかなあ・・・?ぐふふ。

だけど、これは「多感」じゃなくて、「分別」だと思う。
特に目的はないが、一応お礼は言っておくのが「分別」ってもんだろうと思ったわけ。

でも、電話したことをすっごく喜んでくれて、「お忙しいところ、すみません」と言うと、「全然構わないよ、今日は家政婦の撮りもないし」と言ってくれたので、ほっとした。ちなみに「家政婦」とは、H氏が今出てるドラマのこと。

もしかして時間がたってしまったから、忘れちゃったかなあ・・・と思って不安だったけど、あんなに喜んで話してくれるとは思ってもいなかった。やっぱり、お礼は言っておくべきだよね。上智のカリーさんにもメールしようっと!


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