のんびりKennyの「きまぐれコラム」
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2003年01月04日(土)  「ショートポジションのおはなし」

株取引においてショートポジションをとるということに関しては、
人によりそのとらえかたが違うようです。

ショートは日本語で「カラ売り」と呼ばれますが、
この「カラ売り」という言葉がどうも私にはあまり適切で無い様に
感じられてなりません。
正確には「カラ売り」では無く「借り売り」とでもいうべきでしょうか。
御存知の通り、株価が下がると分析した銘柄を借りてきて売却し、
後日買い戻して、お借りしたものをお返しし、差額が生じれば
ありがたく利益として頂戴するというものです。

先に買って後で売るか、先に売って後で買うか、
後先の違いがあるだけで、基本的に株取引としては
通常の売買と何もかわりません。 
なのに「カラ売り」という言葉には
なにかまるで悪いことをしている様な響きがあります。

何故なのかと考えるに、これはどうやら株価が下がって
多くの企業や株主が落胆している時に利益を上げるのは
けしからんという極めてサイコロジカルな部分に
起因しているようです。
日本的な精神においては「潔しとせず」ということなのかもしれません。

しかし、ひとりのトレイダーとして私の今までのトレイド手法を再検討してみると
あきらかにロングよりショートポジションでのトレイディングが多く、
上げてきた利益も大きかったことに気がつきます。
私の場合、トレイディング全体の65%程度がショートです。
ロングは35%ぐらいでしょうか。

短期トレイディングに限って言えば、ショートにはロングにくらべて
あきらかに有利なポイントがいくつかあります。
その代表的なものは「株価は上昇する時より下落する時の方が
短時間で動く」という大原則です。
1日の中での株価の動きを見ても、一定の期間の中での株価の動きを
みても、平均的にはこれは確実です。
数時間かけて上昇した分が数分で急落したり、
数週間かけて上昇した分が数日で反落したりすることは
トレイダーなら誰でも知っています。

ポジションをとっている時間が少なければ少ないほど
リスクが軽減するという私の考え方は本業の不動産投資業から
身に付いたことの様にも思われますが、根本的なところで間違っては
いないと信じています。

5日から10日程度のスイングトレイディングで、
ロングでそこそこの利益を上げようとした場合、
エントリーからアウトまでやはり4日から9日の間
ポジションを取り続けて、その間のリスクに耐える必要が
あります。
しかし、ショートであれば、ポジションをとるのは短ければ
1日、長くても3日程度でしょう。

もちろんそのことのみを重視して、ショートはロングに勝るとするのは
やや短絡的すぎるかもしれません。
しかし、あえて我田引水承知の上でなお、
同じ資金をリスクにさらすならば、49対51程度の差で、
ショートに魅力を感じるのは私だけでしょうか。


Kenny |MAILHomePage