のんびりKennyの「きまぐれコラム」
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2001年04月18日(水)  「株式投資における適正利益率とは」


株式トレイディングにおける適正利益率とはどのぐらいか
という点について、ちょっぴり勝手なことを書いてみます。

「株式トレイディングで儲かる」という概念は
いったいどの程度の利益率をさすのでしょうか?

1万ドルを1ヶ月で10万ドルに?

10万ドルを半年で100万ドルに?

おとぎばなしです。


私の「投資とリターン実績」を冷静に分析してみると、
その平均値の極めて低いことを再認識させられます。
それはイントラデイの積み重ねであっても、
中期長期の結果であっても全く同じです。

ブローケイジハウスやセミナー経営者の面白おかしいハナシの
ほとんどは顧客勧誘を目的とする脚色が含まれています。
聞くに値しません。

では具体的に現在の自由競争市場経済における
投資ビジネスで、「儲かる」とはどの程度の利益率をさすのでしょうか?

1年間で投下資本を倍にするというのが
よく株式投資関係の本に書いてあります。
これはどうでしょう?
年利100% 月利8%強ですね、これなら実現可能な
感じがしますか?

甘いですね。

私は「経験則」というものを何よりも強く信じています。
自分自身の痛みを伴う経験に裏打ちされた「学習」の結果を
大切にすると言い換えても良いでしょう。

その「経験則」からすれば、「投資に対するリターン」の
最低限度は市中一般合法金利の上限を、
ほんのちょっと上回るあたりというところでしょう。

投資の理想は全額自己資金によるものですが、
私の本業である不動産投資においてはOPMの活用は
当然のことで、常に見込み利益と支払い金利、
経費、税金の引き算を行い続けています。

そしてそこにおける最低目標利益率とは、
全額を借り入れ資金で運用し、元利を返済し、
経費、税金を差し引いたうえで、なおかつ市中金融機関の
預入れ金利の最高率を上回る利益率を指します。

当然借り入れ利息が低いほどネットは膨らみますし、
クレディットカード利息の様にべらぼうに高ければ
ネットは減少します。

具体的には年利18%程度、月次1.5%というところでしょうか。

では目標利益の下限はそのあたりにおくとして、
上限をどこに置くか?

上限なんて無し? いくらでも儲ける?

経験の無い人間の夢想です。

利益というものはある程度の利回りを超えると
急激にリスクが増加します。
そのリスクとの折り合いをつけるポイントは
自らを律するものとして、その設定が必須です。

私の場合は、投下資本を年率で5割増にするあたり
が上限でしょうか。

年利50%、月次利益4%強です。
少なく聞こえるでしょうね。
しかし私の経験則は極めて地味な数字を示しています。

1000ドルを1年がかりで1500ドルにすると
考えると、なんて効率の悪いと思われるかもしれませんが、
10億をたった1年で15億にすると考えてください。
「投資利益」というものは、その絶対額で検討するべきでは
無く、あくまでパーセンテージでとらえるべきなのです。

「大儲け」「ボロ儲け」「10倍株」のハナシを
アッチャコッチャで耳にしますが、
その多くは1回限りのまぐれ勝ちか、
本当に長期にわたり投資で食っていない人間の
作り話です。

「儲かる投資」とは実は極めて地味なものなのです。


Kenny |MAILHomePage